記者会見ではGMジャパンの社員がCTSの運転席に座り、CarPlayの使い方を実演した。
ステアリングの音声入力用のボタンを押すとSiriが起動し、用件を尋ねてくる。ドライバーの「電話をかける」との言葉に対し、Siriが「誰にかけますか」「○○さんのどの番号にかけますか」と順に問いかける。ドライバーの音声がスムースに認識されれば通話が始まる。
当日は見学のために運転席側のドアを開けており、さらに記者たちが車両を取り囲んで話していたせいか、Siriは電話をかける相手の氏名を全く認識できなかった。
音楽を楽しみたい場合はSiriに「ミュージック」と話しかけるとiPhoneと似た画面構成で楽曲リストが表示される。
マップアプリを用いた目的地へのカーナビゲーションは、Siriに目的地の名称を伝えるところから設定が始まる。ドライバーが「東京ミッドタウン」のように行き先を言うと、目的地の候補が表示される。その中から行き先を選ぶと、経路や到着予定時刻、有料道路の通行料金などが示される。
iMessageのメッセージを受信するとSiriが文面を読み上げてくれるので、その文面に対して音声入力を使ってそのまま返信できるという。CarPlayを使い慣れた石井氏は「同じ相手と何度もiMessageのやりとりを繰り返すと、Siriがその相手に電話をかけるよう勧めてきた」とCarPlayの利便性に関するエピソードを紹介した。
CarPlayのSiriは、iPhoneと音声認識の能力に差がある様子だった。例えば、iPhoneでは「○○の曲を再生して」とアーティスト名などを指定する長めの音声入力でも操作できる。しかし、CarPlayの実演ではアーティスト名やアルバムなどの指示をうまく認識しなかった。また、iPhoneのSiriは「○○の自宅に電話して」と言えば音声入力が完了するが、CarPlayでは3回に分けて話しかけなければならない。
CarPlayでは、電話やiMessage、マップ、ミュージックといったアプリ以外にも、「Podcast」や「オーディオブック」なども利用できる。現状では約100種類のアプリがCarPlayで使用可能だという。今後も対応アプリが増えていく見通しだ。
また、GMの米国本社ではCarPlay向けに「GM専用のアプリも開発中」(GMジャパン マーケティング&カスタマーエクスペリエンスプロダクト スペシャリストの小林博明氏)だ。
GoogleのAndroidスマートフォン向けでも、「Android Auto」と呼ばれる、CarPlayと同様のサービスが開発されている。GMは米国市場でもまだAndroid Autoには対応していない。
今回の会見でもAndroid Autoへの対応時期に関する質問があったが「現時点では開発を進めている段階で時期についてはコメントできないが、ぜひともご期待いただければ」(GMジャパン)とだけコメントした。
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