ロボットには一切ティーチングを施さず、機械学習を用いてワークの3次元画像とその中でどの部分のワークの吸着に成功/失敗したかというデータを使ってピッキング精度を向上させたという。ロボットが試行錯誤して学習するとともに、3次元画像から「円柱と円柱の間は取れない」「円柱の側面は取れる」と予測する精度が向上していく仕組みだ。
最終的にこのシステムを適用したロボットは8時間の学習で90%の取得率を達成。1000データ分を学習した場合の取得率は60%だが、5000データを学習すると90%まで向上した。ファナックによれば熟練技術者がこのレベルのティーチングを行うのには数日かかるとしている。また、こうした機械学習を複数台のロボットで同時に進めることで、さらなる学習時間の短縮も見込める。
ファナックとPFNではこうした機械学習技術を、ロボットの異常検知などにも活用していく方針だという。ロボットの減速機から得た正常/異常時、それぞれのセンサーデータを機械学習で分析して異常判定モデルを生成。この異常判定モデルを用いてロボットの故障を事前に検知する。従来の手法では検出が遅かった異常を、事前に検出できるシステムを目指すという。
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