低静電容量の医療機器用極細同軸ケーブルを開発、外径を従来比14%低減:医療機器ニュース
日立金属は、単繊維化したフッ素樹脂を絶縁体に用いて、低静電容量の医療機器用極細同軸ケーブルを開発した。従来の低静電容量同軸ケーブルの最細径品に比べ、外径を約14%低減している。
日立金属は2015年9月28日、単繊維化したフッ素樹脂を絶縁体に用いて、低静電容量の医療機器用極細同軸ケーブル(48AWG)を開発したと発表した。
医療用途の同軸ケーブルは、医療機器操作時の負荷低減や体内に挿入する際の患者の負担軽減のため、軽量化・細径化が求められている。近年では、超音波診断装置などの医療機器の高性能化で診断画像も高画質化し、より優れた伝送品質を持つ低静電容量で、かつ細径である必要があるという。
新開発の医療機器用極細同軸ケーブルは、押出により発泡フッ素樹脂を絶縁体として被覆していた従来の構造と異なり、単繊維化したフッ素樹脂を絶縁体として内部導体上により合わせる構造を採用。これにより、超細径・薄肉の発泡絶縁体と同等の比誘電率を持つ、絶縁体を可能にした。
同軸ケーブル外径は0.215mm、128芯ケーブル外径は3.8mmで、同社従来の低静電容量同軸ケーブルの最細品に比べ、外径を約14%低減した。また、類似外径の高静電容量同軸ケーブルに比べ、10MHzでの減衰量を約10%低減し、1.30dB/mとした。50MHzでの減衰量は1.80dB/mとなっている。
特許は出願済みで、2016年度から量産を開始する予定。同社では、同製品により、超音波診断装置や内視鏡などの医療機器の操作性向上や、高画質化が可能になるとしている。
低静電容量の医療機器用極細同軸ケーブルの断面写真
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