日産自動車は、「東京モーターショー2015」において、軽自動車タイプの電気自動車(EV)のコンセプトカー「TEATRO for DAYZ(テアトロ for デイズ)」を世界初公開すると発表した。「新時代の若いカスタマーに対してクルマの新たな価値を提案する」(同社)もので、「真っ白なキャンバス」というコンセプトで開発した内装が最大の特徴。
日産自動車は2015年10月5日、「東京モーターショー2015」(一般公開日:2015年10月30日〜11月8日、東京ビッグサイト)の出展モデルを発表した。世界初公開となる軽自動車タイプの電気自動車(EV)のコンセプトカー「TEATRO for DAYZ(テアトロ for デイズ)」の他、「フランクフルトモーターショー2015」で初公開した「ニッサン グリップス コンセプト」や、レースゲーム「グランツーリスモ6」向けのコンセプトカー「ニッサン コンセプト2020 ビジョン グランツーリスモ」の最新バージョン、走行距離を大幅に伸ばした「リーフ」などを展示する。
唯一の世界初公開モデルとなるテアトロ for デイズは、「新時代の若いカスタマーに対してクルマの新たな価値を提案する」(同社)コンセプトカーである。同社は、2020年以降に運転免許を取得する世代をShare Nativesと定義している。Share Nativesは、これまでとは全く異なる価値観をクルマに求めており、テアトロ for デイズにはそれが具現化されているという。
テアトロ for デイズの最大の特徴は、外観ではなく、『真っ白なキャンバス』というコンセプトで開発した内装である。インストルメントパネルをはじめ、シートやドアトリムがキャンバスとなり、Share Nativesの自由な発想による内装のアレンジをサポートする。「彼らのクリエイティビティは、テアトロ for デイズを通じて仲間とシェアされ、より一層、仲間とのつながりは深くなってゆくだろう」(同社)という。
走行中、真っ白なインストルメントパネルには、計器類や地図などが映し出されるだけである。しかし運転を終えた後は、イタリア語である“テアトロ”の意味と同様に、まるで劇場や映画館にいるかのように、インストルメントパネルをはじめとしたインテリア全体にリアルな映像を映し出すことができる。何を映して遊ぶかは、ユーザーであるShare Nativesの自由で、テアトロ for デイズを駆使して、アウトドアに即席フェスティバル会場を生み出したり、視界いっぱいにゲーム画面を映して大音量でゲームを楽しんだりすることもできる。季節の変化やその日の気分でインテリアのデザインをアレンジし、離れた友人と旅先で出会った幻想的な風景を仲間とオンラインでシェアしながらパーティーを楽しむことも可能だ。
ボディパネルにも、自己表現を楽しむためのLEDスクリーンを搭載。車室外でもアイデア次第でさまざまな楽しみ方を実現できるとしている。さらにテアトロ for デイズで遊ぶ様子は、スマートフォンはもちろん、車載カメラからもすぐにシェアできる。もちろん電気自動車なので、スマートフォンをはじめとするガジェット類の電池切れの不安も解消できるという。
ドライバーのためのHMI(Human Machine Interface)は、従来のクルマとは大きく異なっており、操作デバイスはステアリング、アクセルペダル、ブレーキペダルしかない。物理的なスイッチ類は皆無である。これら以外のHMIは、真っ白なインストルメントパネルに表示される。メーターやカーナビゲーションなどは、好きな場所に、好きな大きさで自由に配置でき、不要なものは消してスペースを有効に使える。空調やオーディオなどの操作は、ボイスコントローラーやモーションセンサーで行う。
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