図面にも触れたことのないような初心者を対象とした、図面の読み方・描き方講座。お題をクリアしながら、解説を読み進めていくことで、いつしか図面の読み描きができるようになる! 今回は宿題の正解発表に加え、「図面ルール」に関するお題を出題する。
皆さん、こんにちは!
「2次元図面から立体をイメージする」をテーマにお届けした前回のお題はいかがでしたでしょうか? お題3-1、3-2で紹介した薄い板を折り曲げて作ったような形状は、「これは折り紙なんだ」と考えてみると形状をイメージしやすくなります。実際、紙を折りながら確認してみるとより理解が増すと思います。
形状をつかむ、立体をイメージするヒントとしては、折り紙の他にも、お菓子や文房具などの箱が使えます。例えば、箱を「第三角法」で投影すると、図1のようになります(参考記事:ママさん設計者がやさしく教える「部品図の描き方超入門」)。
この箱を丁寧に展開していくと1枚の紙になります(図2)。逆に筋に沿って紙を折り曲げて、のりしろを合わせて接着していくと立体の箱になります。こうして箱を展開したり、元に戻したりしていると、子どものころに読んでいた雑誌の付録のことを思い出してきました……。ああ、付録大好きだったなぁ〜。懐かしい!
頑張って、じーっと図面を眺めていてもなかなか立体のイメージが浮かばないとき、カンタンな形状であれば、模型を作ってみるのも1つの手です。
たったこれだけでも立体感が出るので、形状をイメージしやすくなります。これを何度か繰り返していき、やがてこの“コピー作業”を脳内でできるようになればしめたものです。
それでは、前回の宿題(図3)の答え合わせをしましょう。
この問題を出題した際、正面や平面といった“投影方向の概念”が通用しないと説明しました。投影方向の概念がないということは、“どこから見てもこの形状”なのです。そして、ヒントは図面に書かれている「SR50」の文字でした。
ということで、正解はコチラです(図4)。
これはSR50という寸法を持った「球体」です。SRとは「Sphere(球面)」の頭文字“S”と「Radius(半径)」の頭文字“R”を組み合わせたものです。つまり、SR50とは半径50の球体のことで、これを直径にするとφ100の球体となります。
であれば、始めから図面にφ100と記載すればいいのでは? と思うかもしれませんが、φ100とすると、「これはφ100の円盤だ」と誤解されてしまいます。そのため、球体や球面であることを表すには「SR○○(半径)」あるいは「Sφ○○(直径)」と記述する必要があるのです。
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