実装分野の最新技術を分かりやすく紹介する前田真一氏の連載「最新実装技術あれこれ塾」。第36回はコンピュータの並列処理とバス幅の増大について解説する。
本連載は「エレクトロニクス実装技術」2014年2月号の記事を転載しています。
2013年はSonyの「PlayStation(PS)」とマイクロソフトの「Xbox」の新製品、「PlayStation 4(PS4)」と「Xbox One」が発売されました。この2つの最新ゲーム機は、中を見ると非常に似通った設計になっています。特にプロセッサとメモリの接続は、全く同じといってよいほど共通しています。
PS4は「GDDR5」、Xbox Oneは「DDR3」とメモリは違いますが、両方とも16ビット(8ビット×2)のDDRメモリを8個並列に接続して256ビット(8ビット×16)の並列データバスとなっています。
256ビットの並列バスとなると、基板の配線も非常に困難です(図1)。
なぜ、このような幅の広いメモリバスが必要になるのでしょうか? これは、ゲーム機ではグラフィックの機能が非常に重要だからです。
ゲーム機については、美しくリアリティのあるグラフィックが高速にスムーズに動くことがその差別化につながります。このグラフィック機能の向上のためにはこれまでのCPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)と呼ばれる演算処理機能とは別に、GPU(Graphics Processing Unit)と呼ばれるグラフィック専用のプロセッサが開発されています。
このGPUが大量の並列メモリバスを要求します。
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