Ronnkvist氏は、クルマがコネクテッドカーへと変わり、ユーザーにサービスを提供する存在になりつつあることが、自動車メーカーの開発に与える影響についても言及。「自動車メーカーはユーザーを取り巻くITサービスといったクルマ以外の市場動向についても目を向ける必要がある」と主張した。
その主張の背景にあるのが、自動車のライフサイクルの問題だ。「1つのクルマが開発され、ユーザーの手に渡り、市場から消えるまでには約30年の時間がある。しかし、こうした自動車のライフサイクルと、その他のサービス市場の変化速度は大きく異なる。例えば2007年にはFacebookは存在していなかったが、今では広く普及している。数年後の世界はどうなっているのか、そのトレンドに追従できるかが課題となる」(Ronnkvist氏)。
同氏は2015年5月に発売するXC90を例に、こうした自動車のライフサイクルと、サービス市場の変化の違いに対するボルボの取り組みを説明した。XC90は、車載インフォテイメントシステムのソフトウェアを、整備工場にクルマを持ち込まずにアップデートすることが可能だという。「こうした車載ソフトウェアのアップデートというのは、Tesla Motorsが始めたビジネスモデル。今後はユーザーがクルマを手放すまで、常に機能を更新できるということが重要になるだろう」(Ronnkvist氏)。
Ronnkvist氏は近年のトレンドである、自動運転技術に関するボルボの取り組みについても説明した。ボルボは、2017年にスウェーデンのイェーテボリ市内で一般のユーザーが100台の自動走行車を日常的な利用条件下で公道を走らせる「Drive Me」という実証実験プロジェクトを進めている。同プロジェクトには、ボルボに加え、スウェーデンの運輸管理局や運輸庁などの国家機関も協力しており、既に公道で試験車が走行しているという(関連記事:100人のクルマ通勤者が協力、ボルボが自動運転の実験を一般道路で実施)。
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