Webブラウザだけでプログラム開発から実行まで行える「Scratch 2.0」を用い、センサーの接続や外部デバイスのコントロールに挑戦!今回はUSB連動タップの制御を通じて、家電の操作に挑戦します。
本連載は、Webブラウザ上でプログラム開発から実行までを行える「Scratch 2.0(以下、Scratch)」を用いた“フィジカルコンピューティング”入門です。電子回路があまり得意でない人でも取り組みやすい、センサーや外部デバイスと接続した作例を紹介しています。
今回は前回作ったリレー制御回路の応用編ということで、Scratch2.0から市販のUSB電源タップを制御し、家電の電源オン/オフに挑戦します。USB連動タップそのものの仕組みについても触れたいと思います。
図1が市販されているUSB連動タップです。電源タップからはPCにつながるUSBケーブルとUSBデバイスにつながるケーブルが出ていますね。
USB連動タップはこのUSBケーブルをPCにつなぎ、そしてこの電源タップからPC周辺機器の電源を取ります。するとPCの電源を入れるとそれに連動して周辺機器の電源も入るというものです。電源オフの時も同様で、PCの電源を落とすと周辺機器の電源も落ちます。
電源タップ側で周辺機器の電源をオン/オフしますので、周辺機器側の電源スイッチは常時オンにしておきます。内部の回路はおおよそ図2のような感じです。これはメカニカルなリレーを用いたUSB連動タップの例ですが、それ以外のデバイスを使ったものもあります。それらについては巻末で触れます。
ただ最近は電源を切ってもUSBへの給電が途切れず、これから紹介する仕組みで外部周辺機器の電源を制御できないPCもあります。また、USB連動タップにはPCが消費するAC電源側の電流を検知することで、外部周辺機器の電源を制御するタイプもありますが、このタイプは今回の実験には使えませんのでご注意ください。
回路は前回紹介した“リレカチ”と同様、Scratchのプログラムで生成したオーディオ信号によってリレーを制御します。
リレーの制御で5Vをオン/オフさせ、USB連動タップのUSBケーブルに供給します。USBのコネクタに5Vを供給することPCの電源が入ったのと同じ状態になりますので、結果として、ScratchのプログラムでUSB連動タップにつながった家電などの電源を制御できることになります。今回の実験ではPCのかわりに、USB連動タップのUSBケーブルに入る5Vを制御し、この連動タップにつながった家電などの電源をコントロールします。
上の図3がUSB電源タップ制御回路の回路図です。PCからオーディオ信号を供給することでリレーが開閉し、USBケーブル側に0Vないし5Vを出力します。
前回紹介したリレー駆動回路と非常によく似ていますが、前回では発光ダイオードをつないだところに、今回はUSB連動タップにつなぐUSBケーブルをつなぎます。発光ダイオードを接続したときは電流を制限するために抵抗を入れていましたが、抵抗を介さないで直接つなぎます。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.