市販のUSB連動タップには、PCのUSB端子に接続するコネクタが用意されており、一般的にUSBタイプAのオスが用いられています。自作する回路へ接続するため、このコネクタに接続するケーブルを用意する必要があります。
両端がメス/メスのケーブル、あるいはオス/メスの変換アダプターを入手できれば良いのですが、入手できなければ市販されているUSBケーブルを加工して、利用できるケーブルを自作する必要があります。
ケーブルの片方がUSBタイプAのオスでもう片方がUSBタイプAメスのケーブルを用意して切断し、メス型コネクタの方を利用します。外側の被服をはがすと、4本のケーブルが見えると思いますので、そのうちの赤と黒を使います図4。
図4ではピンをハンダ付けして収縮チューブで根元を覆っていますが、実験程度であれば皮膜をはがして芯線をよじってまとめておけばブレッドボードに挿入することは可能です。それ以外の緑と白のケーブルは他の芯線が触れないよう、テープなどでケーブルに貼り付けておきます。
ケーブルの加工やアダプターの入手が手間だという方は、「USBコネクタDIP化キット(Aメス)」図5のような製品もありますのでこちらをご利用ください。USB Aタイプのメス型のコネクタにDIP変換基板が付いたもので、ブレッドボードにそのまま差し込めるようになっています。
ブレッドボードの組み立ても前回のリレカチの回路とほとんど同じです(図6)。発光ダイオードの代わりにブレッドボードの座標でいうところの「h-28」(図中の黄色のミノムシクリップの位置)にUSBケーブルの赤、左の青ラインの行(図中の黒のミノムシクリップの位置)にUSBケーブルの黒を接続します。
図7に示したスクリプトは1秒間隔でオンとオフを繰り返しますが、短い間隔でのオンオフには適さない電気製品もあります。音符を鳴らす時間や待つ時間を長めに調整してみてください。
指定する楽器の種類によってリレー駆動によく反応するものとそうでないものがあるようですので、他の楽器でも試してください。PCによってはMIDI音源では音量不足の場合もありますのでサンプル音源でも試してみてください。
筆者は2連結のタップをオン/オフするようにした自作のUSB連動タップ図8で、動作を確認してみました。このスイッチにはパイロットランプが内蔵されていますので、これが点灯あるいは消灯することで、AC100Vを制御できているか確認しました。自作USB連動タップについては次ページの上級者編で解説します。ちなみに図8のタップはソリッドステートリレータイプのものです。
今回はScratchのプログラムから、AC100Vで動作する電気製品の電源をオンオフするほんの基本的な部分を紹介しました。読者の皆さんの工夫次第でちょっとだけ近未来の電化生活を体験できるのではないでしょうか。
今までScratch2.0とフィジカルコンピューティングといるテーマで連載をしてまいりましたが、今回をもって本連載は終了となります。ご要望やご意見などございましたら編集部へぜひお寄せください。今後の執筆企画の参考にさせて頂ければと思います。読者の皆様今までありがとうございました。
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