日本の人材ミスマッチが前年からさらに深刻化。世界で6番目に人材確保が困難な国にキャリアニュース

ヘイズ・スペシャリスト・リクルートメント・ジャパンが世界31カ国における人材の需給効率についての研究結果を発表。日本の人材ミスマッチが加速していると伝えた。

» 2014年12月03日 10時30分 公開
[MONOist]

 アジアで最も深刻な人材ミスマッチを抱えているのは、日本――。ヘイズ・スペシャリスト・リクルートメント・ジャパンが2014年11月6日に発表した「グローバル・スキル・インデックス2014年版」でそのように分析している。

 同社が人材の需要・供給の状況を評価・分析したレポート「グローバル・スキル・インデックス」では、人材の確保のしやすさを指標化。5.0を最適な状態とし、0に近づくほど人材の確保が容易(人手余り)、10に近づくほど人材の確保が困難(人手不足)な状況だと数値化している。

 その2014年版では、日本は前年の9.1を上回る9.5となり、人材の確保が困難である状態だと評価されている。全31カ国の中では、アイルランド、ポルトガル、スペイン、アメリカが10.0、英国が9.6となっていて、日本はこの5カ国に次いで6番目に人材確保が困難な国ということになる。

 同レポートではさらに、日本では企業が求めている能力・人材と、求職者の能力との間にギャップがあると指摘。企業が慎重に人材を探すようになった結果、長期間空席になっているポジションが多数あると指摘している。その一方で、転職先がなかなか決まらず長期にわたって転職活動を続ける求職者も多い。人材のミスマッチは、アジア太平洋地域で最も深刻だと伝えている。

 この現状について、ヘイズ・ジャパンのリージョナル・ディレクターであるジョナサン・サンプソン氏は、「人材ミスマッチの拡大は、日本経済の成長の大きな足かせになっています。一部に改善の動きがみられるものの、国内の雇用制度は依然として柔軟性に乏しく、これが続く限り人材ミスマッチの課題は当面続くものと考えられます」と述べている。

 また人材のミスマッチから、企業は有能な人材の確保・流出防止に注力せざるを得ない状況に陥り、賃金水準が上昇。日本の「全体的な賃金圧力」は8.0で、香港(10.0)、中国(8.4)に継いで高いスコアを示している。

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