パイオニアのミラー型テレマティクス端末、LTE通信モジュールの利用料は月300円車載情報機器

パイオニアは、LTE通信モジュールを搭載するミラー型テレマティクス端末を開発したと発表した。車載機器として、LTE通信モジュールを搭載するのは国内初となる。2015年3月末までに発売する予定だ。

» 2014年10月02日 08時30分 公開
[MONOist]
ミラー型テレマティクス端末の装着イメージ

 パイオニアは2014年9月30日、LTE通信モジュールを搭載するミラー型テレマティクス端末を開発したと発表した。車載機器として、LTE通信モジュールを搭載するのは国内初となる。カーナビゲーションや、音声エージェント機能を使った操作やニュース/天気などのリアルタイム情報の提供、カメラを使った運転支援機能などを搭載している。2015年3月末までに発売する予定だ。

 今回発表したミラー型テレマティクス端末は、車室内のバックミラーに取り付けるタイプの製品となっている。このため、「ダッシュボードの形状や取り付けスペースなどの制約を受けないことが特徴」(パイオニア)だという。

 端末の右側に搭載されている5インチの静電容量式タッチパネルを使って、アプリやカーナビゲーションの画面を表示したり操作したりすることができる。端末の表面はマジックミラーになっているので、タッチパネルに情報を表示しない場合には前面をバックミラーとして使用できる。

ミラー型テレマティクス端末の装着イメージ ミラー型テレマティクス端末の装着イメージ 出典:パイオニア
天気情報の表示画面(左)とカーナビゲーションの表示画面 天気情報の表示画面(左)とカーナビゲーションの表示画面(クリックで拡大) 出典:パイオニア

 LTE通信モジュールを使った常時ネットワーク接続により、クラウド上のさまざまなリアルタイム情報やサービスを利用できる。NTTドコモと共同開発した自動車ユーザー向けの音声エージェント機能「しゃべってコンシェル」もその1つ。音声による入力操作や情報提供を行えるので、ドライバーが進行方向から目線をそらす危険がない。音声入力のためのマイクは、車室内環境に合わせて最適化したノイズキャンセリング機能を搭載しているという。

LTE通信モジュールでクラウドを活用するミラー型テレマティクス端末のイメージ LTE通信モジュールでクラウドを活用するミラー型テレマティクス端末のイメージ(クリックで拡大) 出典:パイオニア

 Wi-Fiアクセスポイントとしても利用できるので、車室内の乗員はWi-Fi対応のノートPCやタブレット端末、ゲーム機などを楽しめる。

 カーナビゲーションの自車位置測定は、準天頂衛星「みちびき」を用いた高精度の衛星測位システム(GNSS)と内蔵センサーを使って行う。また、内蔵センサーで危険運転を検知して画像と音声で知らせる安心運転支援サービスや、衝撃を検知した際に前後の前方画像を録画するドライブレコーダー機能も搭載している。

 ドライブレコーダー機能で車両前方側を撮影するのに用いている、端末の裏側に組み込んだ広角の車載カメラは、運転支援機能にも用いられている。独自の画像センシング技術を用いた画像解析により、片寄り走行や前方車両の発進を検知してドライバーに知らせることができる。

車載カメラの設置位置と運転支援機能やドライブレコーダー機能の表示 車載カメラの設置位置と運転支援機能やドライブレコーダー機能の表示例(クリックで拡大) 出典:パイオニア

 用途に応じたアプリケーションをインストールすれば、GNSSや通信機能を使った動態管理やドライバーへのメッセージ送信といった活用も可能だ。このため、個人向け以外に業務用での活用も視野に入れている。

 ミラー型テレマティクス端末のLTE通信モジュールは、NTTドコモの「デバイスプラス300」の対象機種になる予定だ。デバイスプラス300は、NTTドコモと主回線契約しているユーザーが月額300円でLTE通信モジュールを利用できるようになるセットプランだ。パケット通信の料金については、主回線側のパケットパックの利用可能データ量をシェアできるので追加で契約する必要はない。

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