モバイルヘルス機器市場、2023年までに418億ドルに市場規模が現在の8倍に

ラックスリサーチによると、モバイル機器を利用して健康データを収集/分析するモバイルヘルス機器市場は、2023年までに418億米ドル規模に成長するという。

» 2014年07月09日 11時40分 公開
[MONOist]

 米国の市場調査会社ラックスリサーチによると、モバイルヘルス機器市場は、2013年の51億米ドルから2023年には418億米ドルと、約8倍の規模に成長するという。ラックスリサーチは、モバイルヘルスを「汎用的なモバイル機器を利用して、個人の健康データを収集、分析するもの」と定義している。さらに、モバイルヘルス機器を「医療向け」と「コンシューマ向け」に分けている。

 ラックスリサーチは、医療向けモバイルヘルス機器について、「規制当局による承認が必要といった理由から導入には時間がかかるものの、将来的にはコンシューマ向けモバイルヘルス機器の市場を大幅に上回る規模に成長する」と見込んでいる。同社でリサーチアソシエートを務めるニック・カーキー氏は、「医療向けモバイルヘルス機器市場は付加価値の高いソフトウェアサービス分野の売り上げ増加により、2020年時点でコンシューマ向け機器の売上を超える見込み」だと予想している。

 コンシューマ向けモバイルヘルス機器市場は、2013年の25億米ドルから2023年には70億米ドル市場へと11%の成長率を遂げ、医療向けモバイルヘルス機器であるバイタルサインモニタリング機器市場は、2013年の3億7200万米ドル市場から2023年には160億米ドル(年間平均成長率で46%)へと、今後急速に市場を拡大していくという。

 ラックスリサーチはモバイルヘルス市場における事業機会分析調査を実施、調査結果の一部を公開している。

  • スマートフォンブームによりモバイルヘルス分野へのベンチャー投資が増加:2007年以降、「iPhone」をはじめとするスマートフォンの利用増加を受け、モバイルヘルス機器分野でのベンチャー投資額が急激に増加、2013年には4億8000万米ドルに到達した
  • コンシューマ向けモバイルヘルス機器への高い注目度:2010年以降、コンシューマ向けモバイルヘルス機器分野におけるスタートアップ企業に注目が集まった。2013年の出資額は計3億1200万米ドル(案件数は53件)で、医療向けモバイルヘルス機器関連を手掛けるスタートアップ企業への出資額(計1億6900万米ドル、案件数:42件)の約2倍に達した
  • 垂直統合の動きが顕著:直近の動きとしてはCovidien(コヴィディエン)によるZephyr Technology買収、インテルによるBasis Science買収など、エレクトロニクスメーカー、医療機器メーカー大手の企業買収・合併による市場参入が活発化している

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