モバイルヘルス機器市場、2023年までに418億ドルに:市場規模が現在の8倍に
ラックスリサーチによると、モバイル機器を利用して健康データを収集/分析するモバイルヘルス機器市場は、2023年までに418億米ドル規模に成長するという。
米国の市場調査会社ラックスリサーチによると、モバイルヘルス機器市場は、2013年の51億米ドルから2023年には418億米ドルと、約8倍の規模に成長するという。ラックスリサーチは、モバイルヘルスを「汎用的なモバイル機器を利用して、個人の健康データを収集、分析するもの」と定義している。さらに、モバイルヘルス機器を「医療向け」と「コンシューマ向け」に分けている。
ラックスリサーチは、医療向けモバイルヘルス機器について、「規制当局による承認が必要といった理由から導入には時間がかかるものの、将来的にはコンシューマ向けモバイルヘルス機器の市場を大幅に上回る規模に成長する」と見込んでいる。同社でリサーチアソシエートを務めるニック・カーキー氏は、「医療向けモバイルヘルス機器市場は付加価値の高いソフトウェアサービス分野の売り上げ増加により、2020年時点でコンシューマ向け機器の売上を超える見込み」だと予想している。
コンシューマ向けモバイルヘルス機器市場は、2013年の25億米ドルから2023年には70億米ドル市場へと11%の成長率を遂げ、医療向けモバイルヘルス機器であるバイタルサインモニタリング機器市場は、2013年の3億7200万米ドル市場から2023年には160億米ドル(年間平均成長率で46%)へと、今後急速に市場を拡大していくという。
ラックスリサーチはモバイルヘルス市場における事業機会分析調査を実施、調査結果の一部を公開している。
- スマートフォンブームによりモバイルヘルス分野へのベンチャー投資が増加:2007年以降、「iPhone」をはじめとするスマートフォンの利用増加を受け、モバイルヘルス機器分野でのベンチャー投資額が急激に増加、2013年には4億8000万米ドルに到達した
- コンシューマ向けモバイルヘルス機器への高い注目度:2010年以降、コンシューマ向けモバイルヘルス機器分野におけるスタートアップ企業に注目が集まった。2013年の出資額は計3億1200万米ドル(案件数は53件)で、医療向けモバイルヘルス機器関連を手掛けるスタートアップ企業への出資額(計1億6900万米ドル、案件数:42件)の約2倍に達した
- 垂直統合の動きが顕著:直近の動きとしてはCovidien(コヴィディエン)によるZephyr Technology買収、インテルによるBasis Science買収など、エレクトロニクスメーカー、医療機器メーカー大手の企業買収・合併による市場参入が活発化している
- 「iOS 8」はヘルスケア管理アプリを標準搭載、データの一元管理が簡単に
Appleの次期iOS「iOS 8」には、ヘルスケア管理アプリ「Health」が標準搭載される。このアプリによって、さまざまなメーカーのヘルスケア製品と連携が取りやすくなり、かつデータを一元管理できるようになる。
- サムスンがスマートヘルスケアに本腰
ヘルスケア向けリストバンド「Simband」を発表したばかりのSamsung Electronics(サムスン電子)。AppleやGoogleもスマートヘルスケア分野に積極的に乗り出す中、Samsungもやはり同分野に狙いを定めているようだ。
- ヘルスケア向けのウェアラブル製品に最適、TDKの「世界最小クラス」IC内蔵基板
医療機器設計/製造の展示会「MEDTEC Japan 2014」(2014年4月9〜11日)におけるTDKのテーマは「デジタルヘルスケアに貢献する」だ。中でも注目は、「世界最小クラス」(同社)を実現したIC内蔵基板通信モジュールである。Bluetooth Low Energyに対応していて、ウェアラブル機器に適した製品だとしている。
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