大正製薬は、ミトコンドリアに存在する酵素「マイトリガーゼ」の減少により、酸化ストレスを受けた後の肌のダメージ修復が阻害されることを発見した。
大正製薬は2024年12月5日、ミトコンドリアに存在する酵素「Mitochondrial Ubiquitin Ligase(マイトリガーゼ)」の減少により、酸化ストレスを受けた後の肌のダメージ修復が阻害されることを発見したと発表した。
肌がストレスを受けると、肌細胞にあるDNAを損傷し、活性酸素が産生されて肌老化の原因となる。しかし、肌に備わっているDNAの損傷を修復する仕組み(DNA損傷修復応答)が機能して、肌老化に抵抗している。
今回の研究では、肌細胞を用いて、マイトリガーゼが減少した状態のDNA損傷修復応答の変化を調べた。その結果、酸化ストレス刺激を受けた正常時の細胞がDNA損傷修復応答を開始するのに対し、マイトリガーゼ減少細胞では応答が開始しなかった。
さらに、正常細胞では酸化ストレス刺激直後は活性酸素が増加するものの、その後はDNA損傷修復応答の開始により活性酸素が増加しなかった。一方、マイトリガーゼ減少細胞では、酸化ストレス刺激を止めた後も活性酸素が増加し続けることが分かった。
これらの結果から、マイトリガーゼが減少すると、DNA損傷修復機能が十分発揮されず活性酸素が増え続けること、加齢によりマイトリガーゼが減少した状態の肌では、酸化ストレスを受けると肌老化が加速する可能性が示唆された。
同社はこれまでの研究で、マイトリガーゼを「若返りの鍵」として、その役割や肌老化との関係を解明していた。
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