ヘルスケア向けリストバンド「Simband」を発表したばかりのSamsung Electronics(サムスン電子)。AppleやGoogleもスマートヘルスケア分野に積極的に乗り出す中、Samsungもやはり同分野に狙いを定めているようだ。
Samsung Electronicsの最高戦略責任者(CSO)であるYoung Sohn氏が、スマートヘルスケア革命の担い手となった。同氏は、ユーザーがフィットネスだけでなく健康管理も行えるようなプラットフォームや端末の開発にも携わっている。
こうした革新を起こそうとしている人は他にも大勢いるが、Sohn氏ほどの要職にある人はほとんどいない。
Sohn氏は、2014年秋に米国カリフォルニア州サンフランシスコで開催予定の開発者会議で、ヘルスケア用リストバンド「Simband」向けのハードウェアインタフェースや、Simbandのプログラミングとクラウドサービスに向けたソフトウェアインタフェースを発表する予定である。
Simbandのα版は既に、主に新興企業をはじめとする10社の開発メーカーに提供されている。Sohn氏はセンサーメーカーであるBoschなどの大手企業にも参加を求めていて、ヨーロッパ各地を回る際にはBoschも訪問する予定だという。
Sohn氏は2014年6月4〜5日にベルギー ブリュッセルで開催された「IMEC Technology Forum」のインタビューで、「スマートヘルスケア市場はごく初期段階にあり、多くの新興企業がプラットフォームを必要としている。当社の目標は50〜100社に当社のインタフェースを採用してもらうことだ」と述べた。
Samsungは2014年秋のイベントで自社開発のβ版、その後2015年には商用版の発表を見込んでいる。さらに同社は、Simband用のセンサーもしくはソフトウェアを開発する新興企業に対し、自社のベンチャーファンドから5000万米ドルの資金を提供する計画だという。
Samsungはこれまでに2つの提携関係を発表している。サンフランシスコ大学は、おそらく同大の医学部の施設でセンサーの実証をサポートする予定だ。Samsungとの共同開発を初めて発表したのはベルギーの研究機関IMECで、心電図、生体インピーダンス、皮膚温度、加速度などを測る多機能デバイスやセンサーの開発に取り組むという。
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