ホンダは、ブラジルサンパウロ州イチラピーナ市の新四輪車工場の建設を始めた。投資金額は約10億レアル(約442億円)で、年間生産能力は12万台。2015年に稼働し、寄居工場の最新製造技術を導入して新型「フィット」から生産を始める。
ホンダは2013年11月26日(ブラジル時間)、ブラジルのサンパウロ州イチラピーナ市(サンパウロ市から北西200km)で新たに建設する四輪車工場の着工式を行った。新工場は2015年に稼働する予定で、まずは新型「フィット」から生産を始める。その後、グローバルで需要が見込めるフィットクラスの小型車を中心に生産を拡大して行く予定だ。
新工場の投資金額は約10億レアル(約442億円)。敷地面積は580万m2で、従業員数は約2000人、年間生産能力は12万台を予定している。2013年7月から稼働を始めた埼玉製作所寄居工場(埼玉県大里郡寄居町)に導入した、製造工程のショートプロセス化や塗装ラインの長さを40%削減できる「Honda Smart Ecological Paint(Honda S. E. 塗装)」などの最新の製造技術は、ブラジルの新工場にも展開される計画だ(関連記事:新型「フィット」を作り出す最先端技術の数々――ホンダが寄居工場を公開)。
新工場を統括するのは、ブラジルの四輪車生産販売子会社であるホンダオートモーベイス・ド・ブラジル・リミターダ(HAB)である。HABは、本社のあるサンパウロ州スマレ市の工場(スマレ工場)で、「シビック」や「フィット」、「シティ」などを生産している。スマレ工場の敷地面積は170万m2で、従業員数は約3500人、年間生産能力は12万台。1997年10月の操業開始からの累計投資額は約25億レアル(約1105億円)で、累計生産台数は105万6000台である(いずれも2012年末時点)。新工場が稼働すれば、HABの年間生産能力は24万台に強化されることになる。
スマレ工場内には、南米市場の需要を反映した現地開発の拠点として新四輪研究所が建設されており、2013年内には本格的な活動を始める。また、HABが約1億レアル(約43億円)を投資して建設中の風力発電所(2014年9月に稼働開始予定)から、スマレ工場の年間電力量に相当する約9万5000MWhを供給することにより、環境対応を進める方針も示している(関連記事:風力発電だけでクルマを製造、ホンダのブラジル工場)。
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