2012年から2013年の間に、コンシューマーエレクトロニクス業界の「2強以外」を構成する企業の売上高は7%(3880億ドルから3640億ドルに)低下し、利益(EBITDA)は28%(315億ドルから226億ドルに)縮小したという。さらに、「2強以外」の企業の56%は、売上高の低下や利益の減少、引き続く資金不足が原因で財務的に危機的な状況に陥っているか、そうなる危険性を抱えていると同調査は指摘している。
さらにグローバルでの需要の停滞、かつてない開発サイクルの短期化などの影響もあり「コンシューマーエレクトロニクス市場の厳しさは今後も増すばかりだ。特に日本企業にとっては厳しい状況になるだろう」と小野田氏は強調する。一方で2強を形成するアップルやサムスンにしても、2012年以前のような勢いを2013年以降も保ち続けられないという見通しを示す。
これらの状況に対応するために「4つの対策を講じる必要がある」と小野田氏は強調する。
これらの4つは既にリストラを余儀なくされた国内のコンシューマーエレクトロニクス企業にとってはやり尽くされた対策のように見えるが、小野田氏は「各社のリストラ計画を確認しているが、圧倒的に不十分な状況だ。もっと思い切った手を打たなければ、長期視野に立った財務の健全化は難しい」と強調する。
また、アリックスパートナーズ・アジア・エルエルシー マネージングディレクターで日本共同代表の深沢政彦氏は「既にやり尽くされた感があるように感じるかもしれないが、われわれが参加するプロジェクトでこの4つがやり尽くされている企業はない。われわれが取り組んでいる企業再生は、その企業が苦しい状況から脱し、将来に向けて成長の可能性が生まれるところまで持っていくのが仕事だ。その観点で見た場合、財務の健全化はもちろん、将来の成長につながらない分野の整理はまだまだ大幅に足りていない」と語る。
例えば、生産についても最小コストで調達・生産ができないのであれば外部に委託すべきだと同社は主張する。深町氏は「考え方として『今グローバルで自由に生産拠点を配置できるとしたらどういう生産体制を構築するか』を考えてみればいい。現在の拠点配置がこの思い描いた配置とどれだけ異なっているかを考えると、コストやリスクが見えてくる。このギャップをいかに縮めるかということが重要だ」と話している。
独立系中堅・中小企業の海外展開が進んでいます。「海外生産」コーナーでは、東アジア、ASEANを中心に、市場動向や商習慣、政治、風習などを、現地レポートで紹介しています。併せてご覧ください。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.