PwCコンサルティングは、2024年版の「DX意識調査−ITモダナイゼーション編−」の調査結果に関する説明会を東京都内とオンラインで開催した。
PwCコンサルティングは2024年12月11日、2024年版の「DX意識調査−ITモダナイゼーション編−」の調査結果に関する説明会を東京都内とオンラインで開催した。アジャイル開発が業務で定着している様子がうかがえる一方で、日常業務に忙殺されてデジタル人材育成が進まないなど課題も散見された。
調査はWebで実施し、回答者は売り上げ500億円以上の企業/組織の課長クラス以上で、数は500人。業種別にみると、回答者の38%が製造業に属しており最多となっている。
調査には回答者のアジャイル開発の活用状況、パブリッククラウドの活用状況、クラウドネイティブ技術の活用状況に関する質問が含まれている。PwCコンサルティングはこれらの回答を「ITモダナイゼーション成熟度」を示すものと定義する。その上で、3つ全てを全社的に推進している企業を「先進」、3つ全てについて一部ではあるが活用中の企業を「準先進」、それ以外を「その他」と分類して、回答結果の傾向に着目した。
まず全体の割合として、「先進」に当たる企業は9%、「準先進」は48%、「その他」は43%となった。2023年の結果と比較すると、先進が微増するなど細かな異同はあったものの、PwCコンサルティング 執行役員パートナー インダストリーソリューション担当の中山裕之氏は「正直、大きな進展は見られなかった」と説明する。
ただ、2022年から2023年にかけてアジャイル開発を「実際の業務で活用中」とする企業は大きく増加している。2024年も2023年と同程度の活用率で、定着化している様子が確認された。アジャイル開発を本番業務に取り入れる企業が増加した理由について、中山氏は「生成AIが注目されたことと関連している可能性がある」と推察する。
IT部門での生成AI活用状況に関しても質問した。システム企画や開発、運用における生成AIの活用用途の内、上位に挙がったのは「打ち合わせなどの議事録作成」「要件定義書、設計書、テスト仕様書などドキュメントの作成支援」「技術やツールに関する調査および質疑」だった。
それらと比較すると活用度合いは低いが、「既存システムの仕様解析」「プログラムコードの生成」「プログラムコードのレビュー」など、システム開発領域での活用も広がっていることが確認された。「1年後には活用実績が大幅に増えていると思われる」(中山氏)。
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