日本マイクロソフトのブースでは、さまざまな応用展開が期待されるモーションセンサー「Kinect for Windows」に注目が集まっていた(関連記事)。
Kinectは、もともとマイクロソフトの家庭用据え置き型ゲーム機「Xbox 360」向けに開発されたカメラ付きモーションセンサーである。プレーヤーの全身の動きの感知や骨格追跡、音声認識などによってゲームのコントローラ・入力インタフェースとして利用できるのが特長だ。
このKinectセンサーをWindows OS環境に対応させ、商用利用を可能にしたものが、Kinect for Windowsである(関連記事)。一般PC向けOSの「Windows 7」だけでなく、組み込み機器向けOSの「Windows Embedded Standard 7」にも対応。同社ブースに出展したパートナー企業から、Kinect for Windowsを活用したさまざまな組み込みソリューションが提案されていた。
東京エレクトロン デバイスは、ネクストシステムが開発したモーションコントロールシステム「ARtist」によるデモを実演。“アーティスト(指揮者)”のように両手を動かすことで、直接タッチする(触れる)ことなく機器をカラダの動きだけで操作できるというものだ。展示会場では、医療業界向けのデモンストレーションを行っていた。
その他、リゾームが開発した「人流計測システム(入退店や通路の通過人数などを時間帯ごとに計測・分析できるシステム)」のデモなども行われていた。
Kinect for Windowsは直販価格2万4800円(税込)と低価格で入手性も良い。ブース担当者は、「従来、100万円程度かかっていたカメラ付きモーションセンサーが低価格で利用できるようになった。今後、さまざまなソリューションへの応用が期待できる」と語っていた。
また、インテルのブースでも、Kinect for Windowsを利用したアパレル店舗向けバーチャルフィッティングソリューション「Swivel/Your Dressing Room」を紹介していた(関連記事)。こちらはFaceCake Marketing Technologiesが開発したもので、ジェスチャー操作によって、帽子やスカーフ、カバン、洋服などの商品を自由に選択し、バーチャル試着できるというものだ。
バーチャルフィッティング(試着)は、日本でも導入が進みつつある。2012年4月にオープンした「東急プラザ 表参道原宿」に出店している「HUMOR SHOP」では、「AR Fitting by A-Net」というバーチャルフィッティングを導入し、注目を集めている。この手のソリューションは、多分に“客寄せ”的な要素が強いが、今後は実用的なサービスとして発展していく可能性も十分にあるだろう。
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