水素をブーム扱いしている場合ではない、LNGの長期戦に学ぶモノづくり総合版メルマガ 編集後記

自分が生きている間に区切りがつかないかもしれない、そんな仕事も世の中にあります。

» 2025年02月27日 12時00分 公開
[齊藤由希MONOist]

 この記事は、2025年2月26日発行の「モノづくり総合版 メールマガジン」に掲載されたMONOistの編集担当者による編集後記の転載です。


水素をブーム扱いしている場合ではない、LNGの長期戦に学ぶ

 多くのマスメディアは今日や明日に公開する記事のために動いています。雑誌になると、1週間とか1カ月のようにもう少し時間が長いですね。植物を栽培する農業や、動物を育てる畜産業も時間が長いです。決算は3カ月とか1年が区切りです。

 クルマのフルモデルチェンジには数年かかりますし、都市の再開発での建設や新しい駅の工事も何年かを要します。長ければ長いほど、思った通りにコントロールしながら進めるノウハウが求められ、災害など突然の出来事で計画や予定が台無しになる可能性が上がります。

 世の中には数年どころか数十年の時間軸の仕事もある、というのは、言われてみれば何も不思議ではないのですが、意識する機会が少なくつい新鮮に感じてしまいます。

 先日開催された「H2&FC EXPO【春】〜第23回 水素・燃料電池展〜」で川崎重工の説明員の方に「水素のプロジェクトはなかなかうまく進みませんね」などと話を聞いていると「想定より時間がかかっていますが、この方向には進むと思います。LNG(液化天然ガス)も普及するまで長かったですからね」と言っていただきました。

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