バーチャル試着から最先端ヘルスケア機器まで――インテルの見て・触れて・体感できるコンセプトデモESEC2012速報

ESEC2012のインテル・ブースでは、「Intelligence in. Amazing out.」をブーススローガンに、同社が提唱する「インテリジェント・システム」を具現化したコンセプトデモの数々を披露。リテールとメディカル/ヘルスケアに関する展示デモを多数の写真を交えて紹介する。

» 2012年05月09日 19時53分 公開
[八木沢篤,@IT MONOist]

 インテルは2012年5月9日、同日開幕した「第15回 組込みシステム開発技術展(以下、ESEC2012)」に出展。「Intelligence in. Amazing out.」をブーススローガンに、同社が提唱する「インテリジェント・システム」を具現化し、見て・触れて・体感できるコンセプトデモの数々を披露した。

 本稿では、ESEC2012開幕速報として、同社ブースで展開していた「リテール」「メディカル/ヘルスケア」の両ゾーンの中から、筆者が注目した展示内容を多数の画像を交えながら紹介したい。


インテルブースの外観 ESEC2012、インテル・ブースの外観

「リテール」ゾーン

 まずブース中央に展示されていたのが、ブイシンク製デジタルサイネージシステム「adbo」とマイクロソフトの「Kinect for Windows センサー」を用いたバーチャル試着システムのコンセプトデモだ。

 デジタルサイネージ端末(AD46H-ST/W)は、第2世代Core i5プロセッサを搭載し、OSとしてWindows Embedded Standard 7を採用。同システムでは、FaceCake Marketing Technologiesが開発したバーチャルドレスルーム「Swivel」が動作しており、Kinectセンサーによるジェスチャー操作やスケルトン追跡により、直観的で手軽な試着体験を実現していた。また、「試着した商品を買い物カートに入れたり、試着イメージのスナップショットを撮影したりする機能も備える」(説明員)。

ジェスチャー操作のみで自由にバーチャル試着が楽しめる。ドレスとネックレス、ハンドバッグなど複数のアイテムを同時に試着することもできる

「メディカル/ヘルスケア」ゾーン

 こちらのゾーンでは、タニタの業務用体組成計「MC-980A」の体験コーナーが設けられていた(ちなみに、MC-980Aは丸の内タニタ食堂に設置されているものと同じ機種だ)。MC-980Aはスポーツジムや医療現場、研究施設などの特定施設向けの最先端ヘルスケア機器で、価格は210万円。10.4型タッチパネルディスプレイを搭載する。機能としては、体重や体脂肪率、筋力量などの全身チェックや部位の分析、ボディバランスのチェックなどが行える。

 MC-980Aの表示部分のコンピュータにIA(Intel Architecture)が採用されており、Windows OSが動作している。グラフィカルな表示機能とWebサービスとの連携を可能にするネットワーク機能を備える他、USBポートを有しており、プリンタやUSBメモリ、Bluetooth USBアダプターなどを接続できる。展示会場では有線接続されたプリンタによるリポート出力、タブレット端末による測定結果閲覧(接続はBluetooth)を実演していた。「ネットワーク機能、グラフィックス性能、拡張性の他、マルチ言語対応などを考え、IA+Windowsの構成を採用した」(説明員)。

タッチパネルディスプレイを搭載する表示器部分は、体組成計本体から分離することもできるという。また、測定結果の中には、測定者の体組成がプロスポーツ選手などのアスリートにどのくらい近いかを数値化した「アスリート指数」なる項目も!

 また、同じく「メディカル/ヘルスケア」ゾーンでは、医療分野向けITシステムのコンセプトとして、「ベッドサイドターミナル」の展示デモを見ることができた。

 これは、入院患者が病院の情報(医師、施設、献立など)を閲覧したり、自分のカルテを閲覧したり、リハビリ向けゲームで遊んだり、テレビやWebサイトを閲覧したりできる、いわゆる情報端末である。展示されていたのは、Avalue Technology製のインテリジェントディスプレイシステム「AID-173Sシリーズ」で、第2世代Coreプロセッサを搭載する。デモシステムとして、北海道函館市にある高橋病院で実際に運用されているベッドサイド情報端末向けのシステムが稼働していた。高橋病院では、ヴァイタスが開発したベッドサイド情報端末を実運用しており、今回の展示会にあわせAID-173Sシリーズ向けに移植したという。「バーコードスキャナーにより、医療スタッフ、患者、薬剤を認証。誤って薬剤を投与してしまう医療事故を防ぐこともできる。また、最先端の医療ITシステムでありながら、患者と医療スタッフとのアナログ的な交流を助けるコミュニケーションツールとしての役割も担う」(説明員)。

処方された薬剤の情報を閲覧できるのはもちろんのこと、雑誌や書籍などの購買や病院が行うアンケートへの回答なども行える

第15回 組込みシステム開発技術展 ESEC2012特集

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