ユビキタスのブースでは、2011年の東日本大震災による福島第一原発の事故に端を発した電力危機に対応するソリューションを披露。Wi-Fi内蔵電源タップ「iRemoTap」が展示され、人々の注目を集めていた(関連記事)。
iRemoTapは、Wi-Fi通信機能を内蔵する4個口の電源タップである。自宅や会社など、iRemoTapを設置した建物内の無線LANアクセスポイントを通じて、電力の見える化を実現するクラウドサービス「Navi-Ene」に接続し、電力の使用状況などを送信する。PCやスマートフォン、タブレット型端末などから専用のWebサービスにアクセスし、iRemoTapの各口に接続された機器の電力使用状況などを確認できるというもの。
一番の魅力は、Wi-Fiによるネットワーク接続が可能な範囲(かつコンセントのある場所)であれば、どこでも設置できる点だ。Navi-Eneのサービスを利用すると、毎月の電力使用状況を閲覧できたり、各口の電源をリモートでOFFにしたりできる(リモートで電源をONにするのは現在の法律では禁じられているとのことで、法改正されればリモート電源ONも可能になる)。
Navi-Eneのサービスは基本的に無料で提供される予定だが、より詳しい情報の閲覧やデータのダウンロードサービスを利用するには有償契約が必要になるという(予定)。iRemoTapは、5月中にサンワサプライから発売される予定(関連記事)だったが、法改正があったため、今夏にずれ込んでの発売となる見込みだ。電力危機の状況もあって反響も多く、1個口タイプや200V版、スリムタイプなどの展開も検討しているとのことだ。
レイトロンのブースでは、雑音の多い環境でも利用できる「雑音ロバスト音声モジュール」による音声コミュニケーションシステムを展示。先日、シャープが発表したお掃除ロボット「COCOROBO」に搭載されて話題となったもので、レイトロンと北海道大学大学院 宮永研究室との産学共同研究で実現した技術である。
展示ブースに設置された騒音計は、60〜70dBという高い数値を示していた(70dBの目安は“騒々しい事務所の中、騒々しい街頭”)が、「こんにちは」などの問い掛けをしっかりと認識し、雑音に対する強さを訴求していた。
この音声モジュールは50〜60dB程度の騒音の中、約3m離れた場所から発せられた音声を認識し、操作やコミュニケーションが行えるように設計されている。また、一般的に騒音環境では男性よりも女性の声の方が通りにくいとされるが、同システムであれば問題なく認識できるとのことだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.