【問題2】の解説、いよいよラストです。ちょっと面倒な押し出し形状にチャレンジ! 今回も手早く正しく形状が作れましたか?
前回のきゃどりる(7)は、第5回で出題した問題のうち、シェル化や細部の作り込みについて解説しました。今回も、細部の作り込みについて解説します。
記事後半、解説終了後に正解の3次元モデルデータがダウンロードできます。あともう少しだけ、説明にお付き合いください。
10×20mmの四角い形状を球体形状に沿って2.5mm凹ませます。
長方形をスケッチし、そのまま凹ませるだけでは、当然、球体形状に沿わすことはできません。
この場合、あらかじめ球体形状の表面から左側(内側)に2.5mmオフセットしたサーフェスを作成します(図2)。
次に、YZ面に10×20mmの四角をスケッチし、これを2.5mmオフセットしたサーフェスまで押し出しカットします。溝はサーフェスに沿った形になります(図3)。
ここまでくれば、後はR15の切欠き、2×2mmのリブ、R10とR5のテーパ穴を作れば完成です。
今回の問題は、図からいかに正確に、寸法を読み取るかがかなり問われるものでした。また図2にあるようにサーフェスをオフセットして作り込むことができるかがポイントではないでしょうか。
サーフェスはCADにより得手不得手があるみたいですが、サーフェスを使うことにより、形状の自由度が増す場合が多いので、使ったことがない方はぜひチャレンジしてみてください。前回のきゃどりるの中にも書かせていただきましたが、あえてサーフェスのみでモデリングしてみるのもよい勉強だと思います。
ちなみに筆者はこの問題を3〜4分眺め、寸法を読み取りモデリングしました。モデリング時間は15分程度でした。筆者はCADの操作はあまり早くないので、もっと早い人であれば10分程度で作れてしまうのでは?
次回は、新しい問題を出題します! お楽しみに。(次回に続く)
この記事は3次元CADのオペレーション初心者向けとして、社団法人コンピュータソフトウェア協会主催「3次元CAD利用技術者試験」(平成20年度前期に実施された1級問題)の出題内容と解法を紹介しています。
この記事で紹介する3次元モデリングの作業ステップは、実際の設計事情や加工方法を考慮していない場合がございます。また当然ながら、実際の設計においては作業の手数を減らすことが重要であるとは限りません。
記事で提示する解答だけが正しいとは限りません。複数の解答パターンがある場合もありますが、記事で紹介するのはあくまでその1つとお考えください。
あらかじめご了承いただければ幸いです。
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