今回は【問題3】のモデリングについて解説します。分かりづらいにもかかわらず、見落とすと痛い! ポイントです
前回のきゃどりる(9)は、【問題3】を出題しました。今回はモデリング方法を解説していきます。
今回作り始める部位の形状は図面から見るとこんな感じです(図1)。
スケッチにはφ16とφ6の穴は貫通なので一緒に編集します。図面には2×16キリと書かれています。これは「2カ所のφ16穴を貫通させる」という意味で、この表現は丁寧だと思います。穴中心が一緒なので、「16キリ」と個数は入れずに表記するケースも多く見られます。*正しいJIS準拠表記はハンドブックなどでご確認ください。
さてここから断面A−Aの左右部分の切り欠き部をモデリングしていきますが、形状的には簡単な左側から作ってみましょう(図2)。
筆者の場合は後から寸法の変更があっても対応できるように、中央から両方向にカットできるようにフィーチャを作ります(図3)。
次は断面A-Aの右側の切り欠きを作ります。ここで図面をよく! 見てください。
見づらいのですが、「←」の部分(図4)は太い実線です。この線によりA面とB面は同一平面ではないことが分かります。
この部分を見落としてしまうと形状が変わってしまいます。筆者も図面上の投影図と寸法を見比べていたら、「おっと!」と、気が付きました。ここのフィーチャは1回では作れませんので別の作業が必要です。途中までは前項で解説したものと一緒なので割愛します。
この部分はカットするフィーチャの両側に角度が付いていますので、サーフェスでその両側を指示します(図5)。サーフェスの長さは任意で決めます。
同様に中央の面にスケッチします。その後、カットする両端に作ったサーフェスを使いカットフィーチャを作成します。
次回も引き続き【問題3】について解説していきます。(次回に続く)
この記事は3次元CADのオペレーション初心者向けとして、社団法人コンピュータソフトウェア協会主催「3次元CAD利用技術者試験」(平成20年度前期に実施された1級問題)の出題内容と解法を紹介しています。
この記事で紹介する3次元モデリングの作業ステップは、実際の設計事情や加工方法を考慮していない場合がございます。また当然ながら、実際の設計においては作業の手数を減らすことが重要であるとは限りません。
記事で提示する解答だけが正しいとは限りません。複数の解答パターンがある場合もありますが、記事で紹介するのはあくまでその1つとお考えください。
あらかじめご了承いただければ幸いです。
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