へへへ。お腹すいちゃった。この続きはご飯食べてからにしよう!
賛成! 俺も腹減っちゃった。食堂行こうぜ〜
一緒に食堂へ行かない? と声を掛けようとしてアズーが振り返ると、……おじさんの姿はもうそこにありませんでした。
おい! また、おじさんが消えたぞ!!
ちょっとアズー! アンタがお腹鳴らすから、肝心なところでおじさん消えちゃったじゃない! お腹をすかしている場合じゃないわ。どーすんのよ! デイちゃんの問題も片付かないままよ!
えっと……。まぁ、なんとかなるよぉ。ご飯食べたらおじさんがさっきいってた『ぶんさんのカホなんとか』を調べてみよう!
ほんっと能天気ねぇ……
公差解析を行う場合、片側公差はプラスマイナス公差に置き換えましょう。
公差の最悪値を積み上げ、部品を組み立てた際に起こり得る最悪な状態を予測する方法です。
10.15−(4.85×2)±(0.15+0.05+0.05) → 0.45 ± 0.25(mm)
よって、スキマの範囲は0.2〜0.7(mm)!
起こり得る可能性の少ない公差の最大・最小領域の寸法を含めずに、それぞれの公差を二乗して積み上げ、平方根で返すことで得られるバラツキの予測値です。
よって、スキマの範囲は0.28〜0.62(mm)
ワーストケースと二乗和平方根、どちらの方法を計算として適用するかは、状況に応じます。おじさんが話していたように、生産数が少なく、どの寸法で出来上がってくるか予測がつかない場合や、製品の不良が人命につながるなど、ワーストケースを使った公差積み上げで保険を掛けるという方法もあります。しかしワーストケースを満たそうとすると、設定される公差の値も小さくなるため、結果として高コスト製造となる場合もあります。
片や、二乗和平方根は、ある程度の不良を了承したうえでの計算方法になります。大量生産を行う場合には、全てを要求範囲内に入れ込むか、もしくは1%未満の不良は許容するかによって、作り方も品質の守り方にも変化が出ます。
このように、コストと品質、要求される性能、何を優先させるかで適した方法を選択してみませんか。
次回は二乗和平方根の背景や制約についてアズーたちが学びます! デイちゃんのスキマの値はどう落ち着くのでしょうか!? (次回に続く)
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