それでは、どうしたらよいのか。ここでは生産計画上のテクニックに限定せずに考えてみよう。以下、典型的な方策(図1)を評価とともに示す。
リードタイム短縮で真っ先に検討されるのがこの対策だ。だが、そもそも正味作業時間比率自体が小さい場合、効果が大きくないことは分かると思う。
王道ともいうべき方法だが、単一製品大量生産ならいざ知らず、多品種の場合、切り替え時間を短くしないと逆効果になるおそれがある。
これも王道ではあるが、人員をただ増やしても、多能工化していないと需要減に対応できず無意味。作業場所も必要である。
TOC理論の説く方策で、きちんとボトルネックを特定し改善できれば効果は大きい。逆にスケジュール上クリティカルでない工程でいくらムダ取りをしても、工数低減にはなるがリードタイム短縮にはつながらない。問題は、大抵の工場の場合、ボトルネックはすでに高稼働状況にあることだ。
正味作業時間を最も浪費するのが、不良の発生である。従って不良率の改善は常にリードタイムを短縮するうえで必須の方策になる。最後に検査工程を行うのではなく、工程の途中(特にボトルネック工程の前)に検査作業を入れて、直行率を上げることがポイント。これを突き詰めていくと、購入部品材料の不良率を下げる(つまり適切な外注先の指導)という課題に行き着く。
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