物流は付加価値には結び付かない付随作業だが、必要なものとムダなものがある。ここを改善する。
これはつまり、工場のレイアウトを工夫し、保管場所も入り口と出口を分けるなどの工夫をして、なるべくフローショップに近づけることである。搬送時間を減らすだけでなく、工程間での滞留・保管を削減すると効果が大きい。保管すれば、必然的にロケーション管理の手間が出てくる。入出庫や物探しの時間を不要にすることでリードタイムも工数も削減できる。
製造着手時点で必要な物がそろわないまま、「可能な部分だけ」製造に着手するケースを時に見掛けるが、必ず一時保管や手待ちの時間が生じてしまううえに、製造作業の効率にも悪影響を及ぼす。工程間を同期させ、欠品のない状態で作業に取り掛かれるようにすることは、計画マンの腕の見せどころであろう。
製造作業者が運搬や探しものに時間を使うのはリードタイムの浪費である。物流担当を製造作業から分業化し、並行して配膳や補充をする方がよい(人数や頻度の問題があるので一概にはいえないが)。
これはプロジェクト・スケジューリングでいう「Fast Tracking」の考え方で、直列工程を並列化することによりリードタイム短縮を狙う。
段取り替えの主な作業を工程内ではなく、工程の外で事前に準備しておく方法で、「シングル段取り」の定石である。多品種の工場では段取り替え時間がリードタイムの障害となるので、非常に有効な方策である。
上に説明したとおり、ロットサイズを小さくすればロット待ちの時間は短くなる。ただし、その分、段取り替えの時間が増えるので、そこをまず改善する必要がある(次項の4も参照のこと)。
MRPのロジックでは、製造ロットの単位で次工程に搬送するという考え方が強い。しかし、仮に製造ロットが100個でも、できた端から次工程に搬送できればロット待ち時間を短縮できる。これをある意味で突き詰めたものが、コンベヤと一個流しであろう。
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