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「鹿島のスピーカー」に大注目 中小の価格転嫁問題にも注目集まった2024年製造マネジメント 年間ランキング2024(1/2 ページ)

毎年年末恒例の年間記事ランキング。メカ設計、モビリティフォーラムに続き、製造マネジメントフォーラムの番がやってきました。2024年もDXや生成AI、企業間の事業統合や業界再編の動向などさまざまなテーマを扱ってきた本フォーラムですが、果たしてどのような記事が読者に多く読まれたのでしょうか。

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 毎年年末恒例の年間記事ランキング。メカ設計、モビリティフォーラムに続き、製造マネジメントフォーラムの番がやってきました。

 2024年もDX(デジタルトランスフォーメーション)や生成AI、企業間の事業統合や業界再編の動向などさまざまなテーマを扱ってきた本フォーラムですが、果たしてどのような記事が読者に多く読まれたのでしょうか。年末の休みの時期に、じっくりと2024年の出来事を振り返るための参考資料としてご活用いただければと思います。

 それでは早速、ランキングを紹介していきましょう。

1位は「鹿島建設が作った不思議なスピーカー」

 栄えある1位に輝いたのは、「鹿島建設が作った不思議なスピーカー ステレオ音源を立体音響にする技術とは」でした。タイトルの通り、鹿島建設が培ってきた音響技術を詰め込んで開発したという異色の立体音響スピーカー、「OPSODIS 1」の取材記事です。小寺信良氏の長寿人気連載「小寺信良が見た革新製品の舞台裏」で取り上げたかいあって、製品開発の背景や技術的工夫点を深堀りした記事となりました。

 このOPSODIS 1ですが、最大の特徴が「ステレオ音源を立体音響として再生できる」点にあります。取材現場で筆者も試聴しましたが、スマートフォンをbluetooth接続して再生したステレオ音源が、まるで自身の周辺だけがコンサートホールになったかのように、四方八方から響いて聞こえてきて、かなり驚きました。

 この音の響きを支える技術「OPSODIS」は、音響施設などの設計段階で音の響きが狙い通りに聞こえるかをシミュレーションするために開発されました。加えて鹿島建設は、音が音源から耳に届くまでの変化を表す頭部伝達関数の高品質なデータを長年にわたり蓄積しており、これらを活用することで摩訶不思議な音の響きを実現しているのです。

 記事中ではこの他にもスピーカーユニットの最適配置や特徴的な筐体の構造の理由など、細部にわたる鹿島建設の技術的工夫点について細かくインタビューしています。取材前は「なぜ建設業の企業がスピーカーを作ったのか」と疑問だらけでしたが、話を聞くにつれて「鹿島建設だから作れたスピーカーなんだ」と強い納得感に変わっていきました。

 音響機器の技術的解説記事が年間で一番読まれた記事に上がるというのは、さすが、モノづくり好きな読者の多いMONOistならではだなと思います。ちなみにOPSODIS 1はクラウドファンディングサイト「GREENFUNDING」でプロジェクト実施中ですが、取材中に出たクラウドファンディングと建設業の基本ビジネス形態の「意外な共通点」についての話も個人的には大変興味深かったポイントです。

 OPSODIS 1の人気はすさまじく、記事執筆時点でクラウドファンディングの総支援額は2億5000万円(当時)に上っていました。が、先ほど(2024年12月24日時点)確認したところ、支援額はさらに増え、サイト上では4億2000万円を超える金額が表示されています。恐るべし……。

 プロジェクト期間も開始当初から延長され、2025年5月31日まで実施予定とのことです。ご関心がある方、まだまだ間に合いますのでのWebサイトをのぞいてみてはいかがでしょうか。

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