呼吸波形を計測できるウェアラブルシャツを開発、睡眠時無呼吸症候群など向け:医療機器ニュース
ミツフジは、朝日ラバー、埼玉大学と共同で、着るだけで呼吸波形を計測できる着衣型ウェアラブルデバイスの開発を開始した。睡眠ポリグラフ検査が簡単に行えるウェアラブルシステムを目指す。
ミツフジは2017年6月19日、朝日ラバーや埼玉大学と共同で、着るだけで呼吸波形を計測できる着衣型ウェアラブルデバイスの開発を開始したと発表した。共同開発するデバイスと、心拍波形を計測できるミツフジのシャツを組み合わせ、睡眠ポリグラフ(PSG)検査が簡単に行えるウェアラブルシステムを構築する。これにより、睡眠時無呼吸症候群(SAS)患者のスクリーニング検査の普及や早期発見・早期治療の促進、慢性閉そく肺疾患の常時モニタリングを目指すという。
今回3者は、導電繊維を用いたウェアにゆがみセンサーを取り付けた製品を開発する。このゆがみセンサーは、胸や腹部の膨らみに密着させることで、伸縮など体の動きに合わせた変位に対応できる。
共同開発では、ミツフジが独自開発の銀メッキ導電性繊維「AGposs」の技術を提供する。生体情報を取得するための電極や配線を衣類と同化させ、さまざまな部分に配置できるもので、これまでも心電計測を目的とした着衣型ウェアラブルで利用されている。朝日ラバーは、銀メッキ導電性繊維に弾性素材を被覆する技術を持つ。その弾性素材に導電性ゴムを採用し、抵抗値変化を一定に保つ軟質素材で被覆した伸縮性銀メッキ導電性繊維電極との複合構造体の開発を担当する。
埼玉大学では、2社が開発した呼吸波形を計測できるシャツの性能評価と最適設計を行う。医療用装置などをレファレンスとし、取得データの精度検証をする。
3者は、2018年2月までに試作作製やデータ取得、基礎技術確定、サンプル作製を行う。その後2018年3月〜2019年3月まで現場などでの実証データ取得や手直し、調整を行い、2019年4月の販売を目指す。
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