パナソニック 空質空調社は、群馬パース大学の生徒が実際に使用している教室や実習室において、次亜塩素酸を用いた浮遊菌と付着菌の除菌効果を検証した。実使用空間における次亜塩素酸の除菌効果検証は業界初となる。
パナソニック 空質空調社は2024年1月16日、群馬パース大学の生徒が実際に使用している教室や実習室において、次亜塩素酸を用いた浮遊菌と付着菌の除菌効果を検証したと発表した。実使用空間における次亜塩素酸の除菌効果検証は業界初となる。
浮遊菌の除菌検証は、生徒が実際に授業を受け、換気や空調を運転している約70畳の2つの教室で実施した。1つの教室には次亜塩素酸水溶液を装置内部で生成する機能と集じんフィルターを搭載した検証装置を設置し、もう一方の教室には設置しなかった。月曜日から金曜日まで24時間装置を運転後、火曜日の午後に浮遊菌を採取し同定した。
その結果、次亜塩素酸発生あり、集じんフィルターありでは、浮遊菌が約85%減少した。一方、次亜塩素酸なし、集じんフィルターありでの減少率は約50%だった。また、浮遊菌はカビやバチルス属菌、黄色ブドウ球菌などさまざまな菌や真菌であることが明らかとなった。
付着菌の除菌試験は、換気および空調を運転している約56畳の無人の実習室2つに同様の検証装置を設置して実施した。大腸菌、緑膿菌、黄色ブドウ球菌が付着したシャーレを、検証装置から8m離れた場所に配置し、24時間後にシャーレを回収して付着菌の減少を調べた。その結果、検証装置なしに対して、検証装置ありでは大腸菌が94.6%、緑膿菌が99.6%、黄色ブドウ球菌が99.9%減少した。
パナソニック 空質空調社は、次亜塩素酸について長年研究を続けており、インフルエンザウイルスや新型コロナウイルスなどの菌やウイルスへの除菌効果を確認してきた。実際のヒトへの感染リスク抑制に向けた効果検証を進めることを目的に、群馬パース大学との産学連携を開始している。
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