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高温超電導コイル搭載のMRIミニモデルで、磁界強度3テスラでの撮像に成功医療機器ニュース

三菱電機は、枯渇が懸念される液体ヘリウムを不要にした高温超電導コイルをMRIミニモデルに搭載し、磁界強度3テスラでの撮像に成功した。

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 三菱電機は2016年5月24日、京都大学、東北大学と共同で、液体ヘリウムを不要にした高温超電導コイルをMRIミニモデルに搭載し、磁界強度3テスラでの撮像に成功したと発表した。

 MRIや一部の分析機器では、液体ヘリウムを用いて−269℃以下まで冷却する低温超電導コイル方式が採用されている。しかし、液体ヘリウムは枯渇が懸念されており、液体ヘリウムによる冷却が不要な高温超電導コイル方式の電気機器への適用が期待されているという。

 また、超電導コイルの作製には、幅4〜5mm/厚さ約0.2mmの薄いテープ状の高温超電導線を多い場所で数100周巻きつける必要がある。その際、高温超電導線のわずかな厚さの変動が積算され、パンケーキ形状の超電導コイル(パンケーキコイル)の巻き高さが設計値通りにならないという課題があった。

 今回同社では、巻き高さをレーザー変位計で測定し、補正シートで巻き高さを調整する技術を開発。従来のパンケーキコイルの外径約400mmに対し、巻き線精度を0.1mm以下に向上させた。これにより、商用MRIに必要とされるゆがみのない撮像の目安となる磁界強度の均一性(100万分の2以下)を可能にした。

 さらに、高温超電導コイルをMRIのミニモデルに搭載し、φ230×650mmの円筒空間の中心に、100万分の2以下の磁界強度の均一性を実現する直径25mm球の撮像空間を構築した。実験では、発生磁界強度を従来の1.5テスラから3テスラまで高磁界化し、撮像ユニットを用いて撮像空間に設置したマウス胎児の画像撮像に成功した。

 高い磁界強度のMRIは、より高精細な画像での診断を可能にするため、病気の早期発見につながる。また、MRI以外にも、高い磁界強度を必要とする電気機器へ高温超電導コイルの適用が期待されるという。同社では、2020年度までに実用機の半分サイズのMRIを試作するなど、早期の事業化を目指すとしている。

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