レゾナックは、生成AI向け2.5D半導体パッケージに必要な液状封止材の特許について、第三者からの異議申し立てを受けていたが、特許庁から有効性が認められたと発表した。
レゾナックは2026年6月17日、同社が保有する液状封止材に関する日本国特許(特許第7687499号)に対して、第三者から特許の有効性に関する異議の申し立てを受けていたが、同月11日に、特許庁により有効性が認められた(維持決定)と発表した。同特許は、今後需要拡大が予想されている生成AI(人工知能)向け2.5D半導体パッケージにおいて、材料間の熱膨張差に起因する応力やクラック発生といった信頼性課題の解決で役立つ技術だという。
近年、生成AIの急速な発展に伴い、AI半導体には、大容量データの高速処理や低消費電力化などへの要求が高まっている。これらのニーズを実現する技術として、複数の半導体チップを高密度に実装する2.5D半導体パッケージの開発が進んでおり、その市場は今後も拡大が見込まれている。
2.5D半導体パッケージのチップやインターポーザー基板は、小さな突起状の電極端子(バンプ)を介してパッケージ基板と接続されているが、その間には隙間が生じる。液状封止材は、その隙間(ギャップ)を充填し、温度や湿度、応力の影響から半導体パッケージを保護している。インターポーザー基板とは、機能の異なるチップ同士を配線で接続し、パッケージ基板に実装するために用いられる中間基板を指す。
半導体パッケージ全体の高性能化に伴い、半導体およびインターポーザー基板やプリント基板など各部材の大型化、複雑化も進んでいる。そのため、電極端子(バンプ)接続を行うリフロー工程や温度サイクル試験のような信頼性試験において、各種基材と封止材の熱膨張率/弾性率の違いによる応力で、基材や封止材にクラックが発生するといった課題があった。リフロー工程とは、高温下ではんだ付けすることにより、バンプ同士を接続し、電気信号を伝達できるようにするプロセスだ。
そこで同社は、液状封止材に用いられる樹脂や添加剤を改良することで、熱膨張率と弾性率を一定の範囲内に調整した液状封止材を開発し、同材料に関する発明の特許を2025年5月に取得した。
その後、同年11月に第三者から異議の申し立てがあったが、特許庁に同発明の新規性や進歩性についての反論書を提出し、審理の結果、特許性が認められ、このたび、特許の維持が決定された。
AI半導体向けの液状封止材に関する同社の特許は、これまで異議申し立てを8件受けているが、いずれも特許性が認められ、特許の維持が決定しているという。今後も同社は、次世代半導体の材料技術に関する知的資産を積極的に取得/活用することで技術優位性を確保する考えだ。
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