一方、推進側の制御を担うのが、左舷側に配置されたナブテスコ製船速馬力制御装置「TELEGRAPH AGENT MTA-800V(以下、MTA-800V)」だ。ここでも、自動運航のために推進制御系を一から置き換えたのではなく、既存のエンジンテレグラフ系の上位に自動制御装置となるMTA-800Vとパスプランナーを連携した。
MTA-800Vの役割は、パスプランナーから送られる航路に船を追従するべく、主機回転数(を定めるテレグラフ操作)と可変ピッチプロペラの翼角を自動で調整することにある。PT900が“ハンドル”なら、TELEGRAPH AGENT MTA-800Vは“アクセル/ブレーキ”に相当する。舵側と推進側の双方が自動制御可能になることで、初めてパスプランナーが立案(そして現時点においては当直航海士が承認)した航路に合わせて船を操船できるようになる。
操舵室中央の「PT900」の左舷側に並ぶのが、ナブテスコ製船速馬力制御装置「TELEGRAPH AGENT MTA-800V」と、その隣の既設エンジンテレグラフコンソール。MTA-800Vはパスプランナーの指令を受けて主機回転数や可変ピッチプロペラ翼角を自動調整するなど、既存の推進制御系に自動運航機能を追加した構成となっている[クリックで拡大]なお、自動運航システムは、常に同じ条件で同じ精度を発揮するわけではない。そのため、システムの稼働状態を把握し、安全に使用できる状態かどうかを判断する機能が必要になる。第二ほくれん丸では、このステータス管理を担うCIM(Central Information Management)を日本無線が担当している。
CIMは、GPSなどの冗長性やシステム全体の健全性を監視する。操舵室での説明では、GPSを2系統搭載している本船で片方に異常が生じた場合、冗長性が失われたとして、自動運航システムの安全状態を1段階下げるとされた。この場合、システムは人間による監視や介入を前提とする運用に移行する。
小型ボートのような対象の検知についても、センサー、AIS、カメラによって条件次第では対応できる一方、波浪や降雨などで条件が悪い場合には難しくなる。その場合は、完全な自動運航を継続するのではなく、システムのステータスを変更し、部分的な運用に切り替えるとしている。
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