全固体電池製造工程の低露点環境に対応する潤滑剤、新技術で開発材料技術

NOKクリューバーは、リチウムイオン電池および全固体電池の製造工程における低露点環境に対応する潤滑剤「低露点用グリース」を開発した。低露点用グリースは、電池製造装置において、従来の潤滑剤で課題となっていた駆動部の潤滑不足を防ぎ、製造装置の長寿命化に貢献する。

» 2026年03月11日 06時15分 公開
[遠藤和宏MONOist]

 NOKのグループ会社であるNOKクリューバーは2026年3月9日、リチウムイオン電池および全固体電池の製造工程における露点−50℃〜−70℃の超乾燥環境(低露点環境)に対応する潤滑剤「低露点用グリース」を開発したと発表した。

金属元素に起因する電池特性の不良リスクを削減

 リチウムイオン電池や全固体電池の製造工程では、水分を極限まで取り除いた超乾燥環境が必要とされるが、このような環境では一般的な潤滑剤の摩擦抵抗が増大し、潤滑性が損なわれる。

 この課題に対しNOKクリューバーは、既存試験機を改造して超乾燥環境を再現する独自の試験技術を開発するとともに、その環境下で潤滑性を評価する技術を確立した。両技術により、安定した潤滑膜を保持できる潤滑成分の選定が可能となるとともに、電池特性に影響を与える特定金属元素を含まずに潤滑性能を発揮する独自の配合設計が行えるようになった。

 これらを活用し露点−50℃を再現した摩擦試験で、低露点用グリースが時間経過による摩擦抵抗の増大を抑え、安定した潤滑性能を維持することを実証した。この低摩擦特性により、製造装置部品の摩耗を抑制して長寿命化を実現するだけでなく、装置の安定稼働を通じた生産性の向上に貢献する。

「低露点用グリース」 「低露点用グリース」[クリックで拡大] 出所:NOK

 加えて、Cu(銅)、Zn(亜鉛)、Fe(鉄)といった特定の金属元素を原料材に含まないため、金属元素に起因する電池特性の不良リスクを減らせる。大気環境での潤滑性にも優れるため、設備の省エネ化に役立つ。

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