マツダの8月のグローバル生産台数は、前年同月比1.7%減の8万4754台と7カ月連続で減少した。海外生産の低迷が要因で、同8.8%減の3万5851台と4カ月連続のマイナス。メキシコは、米国市場向けの「CX-30」や「マツダ3」の減少により同29.3%減の1万3320台と大幅に減少。「CX-50」の販売が堅調な米国は同1.3%増の1万1042台だったが、北米トータルでは同18.1%減の2万4362台と4カ月連続の前年割れとなった。タイも「CX-3」などの落ち込みで同23.2%減の4855台と5カ月連続のマイナスだった。ただ、中国は新型EV「EZ-6/マツダ6e」に加えて、SUVタイプの新型EV「EZ-60」も純増となり、前年比約2倍の6634台と大幅プラスで、5カ月連続で前年実績を上回った。
主力の国内生産は厳しい状況が続いていたが、前年同月比4.3%増の4万8903台と7カ月ぶりに前年実績を上回った。前年が新型車効果で高水準だった北米など向け「CX-90」や、2024年末に生産を終了した「マツダ6」などのマイナス影響はあったものの、主力モデルの「CX-5」が同43.9%増と大幅増となった他、マツダ3も同10.2%増、CX-30に至っては同29.7%増と大きく伸長してカバーした。ただ、輸出は北米向けの減少が響き、同7.6%減の4万5623台だった。
スバルの8月のグローバル生産は、前年同月比12.5%減の6万642台と2カ月連続で前年実績を下回った。これは群馬製作所の矢島工場(群馬県太田市)で工事を実施しており、一部の生産ラインを停止した影響が表れた。このため国内生産は、同22.1%減の2万8852台と3カ月連続のマイナスだった。これに伴い輸出も同8.6%減の3万768台と2カ月連続の前年割れだった。唯一の海外生産拠点である米国生産も、サプライヤーから一部部品の納入遅れが発生したため、同1.5%減の3万1790台と4カ月ぶりのマイナスだった。
工場停止によって2桁%減となったスバルの台数を下回ったのが三菱自動車だ。8月のグローバル生産台数は、前年同月比10.9%減の5万9372台と2カ月連続のマイナスだった。このうち国内生産は、同14.6%減の2万5628台と3カ月連続で減少した。水島製作所(岡山県倉敷市)で生産する「デリカミニ」や、日産向けにOEM(相手先ブランドによる生産)供給する「ルークス」を新型に切り替える準備の影響が出た。日産向けOEMの軽EV「サクラ」の販売も半減近くまで低迷している。登録車では「デリカD:5」や「アウトランダーPHEV」の国内販売は好調だが、輸出は同13.8%減の1万6075台と落ち込んで3カ月連続の減少だった。
海外生産も、前年同月比7.8%減の3万3744台と2カ月連続のマイナス。主要地域である東南アジアは、最大拠点を構えるタイは経済低迷やローン審査の厳格化などで厳しい市況が続いている他、「ミラージュ」や「パジェロスポーツ」の一部地域向け生産を終了した。販売でもインドネシアはプラスを確保したものの、フィリピンやベトナムが振るわなかった。
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