国内外ともトヨタの強さが光る、2025年8月の日系自動車メーカー生産動向自動車メーカー生産動向(2/3 ページ)

» 2025年10月31日 06時00分 公開
[MONOist]

ホンダ

 8社の中でも低迷が続いているのがホンダだ。8月のグローバル生産台数は、前年同月比13.0%減の26万7005台と最も落ち込み、13カ月連続のマイナスだった。このうち海外生産は、同13.3%減の22万2419台と13カ月連続で減少。中でも中国は、市場の競争激化で販売が低迷。新型EV「イエ」シリーズも振るわず、同19.5%減の5万11台と中国で生産する5社で唯一の2桁%減となり、2カ月連続で前年実績を下回った。インドネシアやマレーシアなども低調で、中国含むアジアトータルでも同25.7%減の7万6887台と2カ月連続で減少した。主要市場の北米も同5.1%減の13万6559台と4カ月連続のマイナスとなった。

 国内も厳しい。国内生産は前年同月比11.6%減の4万4586台と、3カ月ぶりに前年実績を下回った。国内販売では、前年が新型車効果で好調だった「N-BOX」や「フリード」などの反動により落ち込んだことが響いた。ただ、輸出は同26.9%増の7307台と5カ月連続で増加した。

スズキ

 スズキも減少が続いている。8月のグローバル生産は、前年同月比5.2%減の24万1749台と、7カ月連続のマイナスだった。伸び悩みが続く原因は国内生産で、同1.2%減の7万1121台と7カ月連続で減少した。国内最量販車種の「スペーシア」や人気モデル「ジムニー」はプラスを確保したものの、「ソリオ」「ハスラー」「ワゴンR」といった主力モデルの販売が減少した。ただ、長らく落ち込んでいた輸出は同37.6%増の1万7759台と、2カ月連続のプラスで回復の兆しを見せている。

 8月は国内以上に海外生産の落ち込みが目立った。前年同月比6.7%減の17万628台と2カ月ぶりに減少した。これは世界生産の6割超を占めるインドで、政府による物品/サービス税の引き下げが発表されたことで買い控えが発生したため。インド生産は同6.3%減の15万8186台と落ち込み、2カ月ぶりのマイナスだった。また、ハンガリーで設備導入により停止期間が前年より長期化したため、インドを除く海外生産も同11.4%減の1万2442台と、2カ月ぶりに前年実績を下回った。

日産自動車

 日産の8月のグローバル生産は、前年同月比0.8%増の23万7941台と微増で、2カ月ぶりにプラスを確保した。海外生産がけん引し、同4.9%増の20万3921台と2カ月ぶりに前年実績を上回った。特に販売競争が厳しい中国において、新型EV「N7」の受注好調により同36.4%増の5万7962台と大幅な伸びを記録。3カ月連続で増加した。米国も前年に「アルティマ」の台数調整を行っていた反動や「エクストレイル/ローグ」の増加などにより同5.5%増の4万5918台と2カ月ぶりのプラス。メキシコも「キックス」の増加で同1.9%増の6万5662台と2カ月連続で増加した。さらに英国では、シリーズハイブリッドシステム「eパワー」の第3世代を搭載した「キャシュカイ」の生産開始により、同20.4%増の1万6100台と15カ月ぶりにプラスへ転じた。

 一方、厳しい状況が続くのが国内生産で、前年同月比18.2%減の3万4020台と18カ月連続のマイナスだった。大型SUV「パトロール/アルマーダ」は好調に伸ばしているが、北米向けの主力車種である「エクストレイル/ローグ」の減産に加えて、国内販売で「ノート」や「セレナ」など主力モデルが軒並み大幅に台数を落としていることが響いた。輸出はエクストレイル/ローグが増加し同15.0%増の2万7638台と増加し、2カ月連続のプラスだった。

ダイハツ工業

 ダイハツの8月のグローバル生産は、前年同月比2.6%減の12万468台と、2カ月連続のマイナスだった。海外生産が落ち込み、同13.7%減の6万3899台と4カ月連続で減少。8社の海外生産で最大の落ち幅となった。中でもインドネシアは厳しい状況が続いており、同19.4%減の3万880台と25カ月連続のマイナスだった。好調だったマレーシアも同7.6%減の3万3019台と振るわず、3カ月ぶりの前年割れとなった。

 国内生産は、前年同月比14.1%増の5万6569台と2カ月ぶりに前年実績を上回った。これは前年8月が台風10号の影響により国内全4工場で稼働を停止した反動が発生したため。内訳は、新型「ムーヴ」が好調な軽自動車が同19.9%増の4万526台と大きく伸長。登録車も同1.7%増の1万6043台とプラスを確保した。

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