　古野電気は2025年12月3日、日本郵船が発注した自動車専用船に日本財団による無人運航船プロジェクト「MEGURI2040」において、古野電気が開発に加わった自律航行システム「避航操船支援システム」が先行実装されると発表した。自動車専用船は、2026年3月に完成を予定しており、最先端の自律航行システムを始め、多くのマリンDX（デジタルトランスフォーメーション）機器が装備される。

避航操船支援システム［クリックで拡大］出所：古野電気

マリンDX機器を搭載した自動車専用船イメージ出所：古野電気

　避航操船支援システムは、航海用レーダーなど各種センサーからの情報を取りまとめ、自船周囲のターゲット情報を精緻に認識するセンサーデータ統合機能を持つ。また、リスク評価機能として、統合されたターゲット情報を活用して衝突リスクを算出、表示できる。

　日本海洋科学の船舶自律化システム向け行動計画策定ソフトウェア「Advanced Routing Simulation and Planning（ARS）」とも連携しており、自船周囲のターゲット情報をベースに、最善の避航航路を自動立案および航路制御をする避航計画立案／実行機能も組み込まれている。

　近年、船舶の交通量増加や大型化により、操船の難易度が上がっており、搭載機器の高度化などにより乗組員の負担が重くなっている。また、航海中における事故原因の7割近くはヒューマンエラーによるものであり、航行の安全性を確保するには、その予防と船上業務の効率化が必須だ。

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