オリエンタルモーターは小型モーターの老舗メーカーとして知られ、近年では自社製の産業用ロボットも積極的に展開している。今回の展示では、既存ラインへの後付けにも対応可能なコンパクトロボット「OVRシリーズ」が紹介された。
OVRシリーズは、垂直多関節ロボット、水平多関節ロボット、直交ロボットが用意されており、軽量かつ省スペースである点が特徴。360度全方向に動ける新モデルも登場し、軌道制限のない動きで最短距離/時間での動作を実現する。最大可搬重量は10kgで、多様な現場のニーズに対応可能だ。
デモでは、ビジョンセンサーと連携してピンポン玉の色を識別し、不良品(橙)と良品(白)を自動で振り分ける様子も披露。複数ロボットを使い分けた工程分担も可能で、現場の自動化、効率化に大きく貢献するという。
さらに同社は、初の「教育用卓上ロボット」も展示。学生や社会人が気軽にロボットに触れ、ソフトとハードの両面から学べる仕組みを提供することで、人材育成にも力を入れている。今後の自動化社会を支える“使える人材”の育成にも寄与する製品だ。
ユニパルスは、力センサーや荷重計などの計測機器を製造、販売しており、産業現場の作業負担を軽減する製品開発に取り組んでいる。長年培ってきたセンシング技術を活用し、重いものを安全かつスムーズに運ぶための電動バランサー「ムーンリフタ」を開発した。
「ムーンリフタ」は、内蔵されたサーボモーターと力センサーにより、吊り上げる対象の重量を自動で検知。どんな重さでも同じ操作感で上げ下げができ、30kgのワークでも500g程度の力で持ち上げられるという。高精度な制御により、1mm単位の微調整が可能で、デリケートな部品にも対応できる。
会場では、操作用ボタンを使わずにワークを上下させるデモを実施。来場者が実際に装置に触れ、その軽さと滑らかな動きに驚く様子が見られた。作業者の腰や腕への負担を軽減しつつ、安全性と作業効率を両立できる点が評価されている。
ムーンリフタは発売から約7年で累計5000台以上を販売。自動車業界や食品業界など、幅広い分野で導入が進んでいる。ユニパルスは今後も、センサーメーカーならではの強みを生かし、現場のニーズに応える製品を展開していくという。
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