Doogの自動追従型貨物搬送ロボット「サウザー」が機能強化、80センチの工場内通路をスムーズに追尾し、ライントレースでの自動走行も可能となった。
Doog(ドーグ)は2016年4月18日、同社が2015年10月に販売開始した自動追従型貨物搬送ロボット「サウザー」の機能追加を発表した。追従アルゴリズムの強化によって幅100センチの直角路をスムーズに走行可能となり、ライントレースによる自動走行も可能となった。
この「サウザー」は最大120kgまでの貨物を乗せ、運搬できる貨物搬送ロボット。本体にはレーザーレンジファインダーを搭載しており、周囲の状況を把握しながら自動的に作業者を追従する。物理的なリード(引き綱)を介した操作も可能で、「リードを引くと停止」「停止中にリードを2回引くと追従開始」など、飼い犬を誘導するような操作で操れる。
今回の機能強化は2015年10月の発表後に「物流や生産現場から思いの外、大きな反響を頂いた」(同社 代表取締役社長 大島章氏)ことから実装された。搭載アルゴリズムとCPUの強化によって、作業者を追尾しながら、工場などに設けられる通路の最低幅(労働安全衛生法に基づく)である80cm幅の通路を直進し、100センチの直角路を滑らかに走行できる能力を持つ。
ライントレースについては本体下部にレーザーレンジファインダーを追加して取り付けることで、反射素材のテープに沿ったラインを走る。通路上に障害物を発見した場合には警告音を発して走行を中止するなどの挙動をとる。ライントレースによる自動走行時も幅100センチの角を曲がることが可能だ(低速モード時。高速モード時は幅300センチ角が推奨される)。
このサウザーは「目の前にいるヒトを追尾する」ことに特化しており、ZMP「CarriRo」のような経路の記録機能や、GROUNDが導入する「Butler」が備えるような棚入れやピッキングといった機能は持たない。本モデルでは後退(バック)もできない。しかし、機能を絞り込んだ分だけ操作は簡単であり、利用者教育を含めた導入コストは低く抑えられている。
また、小雨ならば問題なく利用できる防滴性能や動作音を抑えた静音性、ノーパンクタイヤによる走破性なども兼ね備える。同社ではこうした「導入の容易さ」を武器に他社協業も含めた販売体制の構築を急ぐとしており、2016年度内には100事業所への試験導入を目指す。
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