自動充電機能追加で稼働性能向上、ヒト型サービスロボ「EMIEW4」日立が発売ロボット開発ニュース

日立製作所「EMIEW(エミュー)」シリーズから新モデル「EMIEW4」を販売開始する。EMIEW3に自動充電機能を追加し、センシング機能を強化することで実用性を向上させた。

» 2020年03月30日 08時00分 公開
[池谷翼MONOist]

 日立製作所は2020年3月26日、ヒューマノイド型コミュニケーションロボット「EMIEW(エミュー)」シリーズの新モデル「EMIEW4」を同年4月20日に発売すると発表した。EMIEWをIoTプラットフォーム「Lumada」のビル分野におけるソリューション事業の1つとして本格的に事業展開していくため、自動充電機能の追加による連続稼働の実現や、センシング機能の強化による移動性能の向上など、実用性能を従来製品比で大幅に高めた。また、タブレット端末と専用クレードルでEMIEWのアバター(分身)と会話ができる卓上型の「EMIEW-TT(エミューティーティー)」もラインアップに加える。

施設内業務を支援するヒューマノイド型コミュニケーションロボット「EMIEW4」[クリックして拡大]出典:日立製作所 施設内業務を支援するヒューマノイド型コミュニケーションロボット「EMIEW4」[クリックして拡大]出典:日立製作所

 EMIEW4では旧機種であるEMIEW3に比べると、事業の本格化を意識した機能追加と強化が図られている。これによって稼働性能と移動性能の向上を実現した。

 その一例が、バッテリー交換を行わずに機体の連続稼働を実現するという「自動充電機能」の搭載だ。昼間は受付や案内業務を行い、夜間は巡回監視業務を担うといった具合に、時間帯に応じた業務を休みなくこなすことが可能になった。また、センシング機能を強化したことで、EMIEW3よりも広範囲を自律的に走行できる。このほか、多言語での音声対話機能にも対応する。

 さらにEMIEW4は、機体の制御機能や監視システムを実装したクラウドベースのリモートブレイン「ロボットIT基盤」に接続することで、エレベーターやセキュリティ機器などの設備とシステム連携も行える。将来的にはEMIEWに話しかけることでエレベーターを呼び出す他、EMIEWが取得した施設内データを活用して設備管理の効率性向上を図るなど、スマートビルの実現を加速させる役割を担っていく予定だという。

EMIEW4のオフィス受付周辺での活用イメージ(左)と病院施設での活用イメージ(右)[クリックして拡大]出典:日立製作所

 またEMIEW4の発売と同時に、専用のクレードル(スタンド型の端末接続装置)に設置したタブレット端末上でEMIEWのアバターと会話できる、アプリケーション型の「EMIEW-TT(エミューティーティー)」も販売開始する。

EMIEWのアバターと会話する「EMIEW-TT」[クリックして拡大]出典:日立製作所 EMIEWのアバターと会話する「EMIEW-TT」[クリックして拡大]出典:日立製作所

 主に受付や接客業務での使用を想定する。タブレットに話しかけるとアバターとの会話が始まり、施設情報に関する質問が行える。質問を投げかけると、EMIEW-TTはロボットIT基盤上の蓄積データを照会して回答を行う。また、例えば施設情報に関する質問を行った場合は、施設のマップ情報をタブレット上に表示するなど、コミュニケーションの円滑化を図る機能も搭載されている。

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