ugoは2022年11月30日、遠隔操作とAIによる自動走行が可能な業務DX支援ロボット「ugo(ユーゴー)」シリーズについて、高性能化を図った新モデルの「ugo G4」を発表した。併せて、ロボティクスプラットフォーム「ugo Platform」について、ugo以外にも安川電機や川崎重工業など、他社のロボット製品との連携を可能にするアップデートも行う。
ugoは2022年11月30日、遠隔操作とAI(人工知能)による業務支援が可能なロボット「ugo(ユーゴ―)」シリーズについて、高性能化を図った新モデルの「ugo G4」を発表した。併せて、ロボティクスプラットフォーム「ugo Platform」について、ugo以外にも安川電機や川崎重工業など、他社のロボット製品との連携を可能にするアップデートも行う。
ugoは遠隔操作とAIを活用した制御の2つによるハイブリッド制御が可能な、双腕型のロボットである。腕を操作してボタンを押すといったアクションができる他、機体下部に搭載されたカメラや2D LiDAR(Light Detection and Ranging、ライダー)などのセンサー類によって障害物を避けながらの走行が可能だ。研究開発や試作を2018年から開始し、2019年に第1世代モデルの「ugo G1」が登場した。以降、1年ごとに新しいモデルを発表しており、今回のugo G4は第4世代に当たる。なお、ugoではロボットの研究開発から製造までを自社内で一気通貫で行う体制を取っているという。
ugoシリーズはインフィニオン テクノロジーズ ジャパン、大林組、日本圧着端子製造グループ、NTTアーバンソリューションズ、NTT都市開発などの工場、オフィスや有料老人ホームなど、2022年時点で約100台が導入されている。警備業務やデータセンターでの点検業務での導入が多く、実証実験段階ではあるが介護士の支援業務などへの活用も検討されている。
ugo G4はNVIDIAのAIコンピュータである「Jetson Nano」を標準搭載し、カメラを通じて得た画像の処理能力や、AI性能を高めた。また、遠隔操作時に使用する音声通話の品質を改善した他、従来のパトランプを非搭載にして、リングライトをフルカラーLEDに替えることで、機体全体のコンパクト化を図っている。
センサー類もアップデートして、インフィニオン テクノロジーズのデジタル気圧センサー「DPS310」や温度センサーを新たに搭載した。気圧センサーを通じて±5cmの誤差で高さを推定し、ロボット自身がビル内のどの階にいるかを高精度で判断可能にする。これによって、ugo G4は階をまたいだ移動がしやすくなる。加えて、センサー類にトラブルが生じた場合などを想定して、遠隔でハードウェアを再起動する機能も搭載した。
ugoを統合管理するロボティクスプラットフォーム「ugo Platform」もアップデートして、他社のロボットとも連携できるようにする仕組みを開発した。「ugo Reactor」というコントローラーデバイスを活用することで、ugo以外のロボットを接続できるようにする。既に、ugoに出資する安川電機の産業用ロボット「MOTOMAN」や川崎重工業のサービスロボット「Nyokkey」との連携が可能となっている。IoT(モノのインターネット)機器の接続も可能で、機器を通じて設備などの時系列データを取得することもできる。
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