VAIOは、「CEATEC 2019」(2019年10月15〜18日、千葉県・幕張メッセ)に出展し、ロボット開発と運用に必要なハード、ソフト、クラウドサービス等をオールインワンで提供する「ロボット汎用プラットフォーム」を訴求する。
VAIOは、「CEATEC 2019」(2019年10月15〜18日、千葉県・幕張メッセ)に出展し、ロボット開発と運用に必要なハード、ソフト、クラウドサービス等をオールインワンで提供する「ロボット汎用プラットフォーム」を訴求する。その他、ロボット汎用プラットフォームを初めて採用するコミュニケーションロボット「おしゃべりコウペンちゃん(仮称)」のデモ展示などを行っている。
VAIOのロボット汎用プラットフォームは、コミュニケーションロボットの効率的な開発を支援する一気通貫型のサービス。ロボットの筐体開発から組み込みボードの回路設計といったハードウェア開発、スマートフォンアプリなどのソフトウェア開発、音声認識や課金、無線ネットワークによるアップデート(OTA:Over-The-Air)といったクラウドサービスの構築、ユーザーサポートの運営などをまとめて提供する。ロボット技術に関する知見が少ない企業であっても、低コストかつ短い開発期間でオリジナルのコミュニケーションロボットが開発できる。
ロボット汎用プラットフォームで提供されるハードウェアは、顧客のニーズや要求されるスペックに応じて、「Middle」「Simple」「Mini」の3タイプをラインアップする。MiddleはCPUに「Cortex-A53」を用いており、高度な機能やカスタマイズにも対応する。SimpleはCPUに「Cortex-A7」を採用し、Wi-FiやBluetoothといった無線機能、DSP、マイク、スピーカーをバッテリーと1パッケージの筐体で提供する。Miniは簡易な発話に対応するロボットに向け、ハードウェアサイズと開発コストの最小化を狙った製品となる。
VAIOブースでは、参考展示として同社独自開発の「静音ギヤードモーター」を組み込んだ「駆動部開発 アシストモジュール(仮称)」を初出展している。静音ギヤードモーターは、これまで同社がロボットの駆動機構開発で培ってきた知見を生かし、歯車の材質選定やクリアランス調整、歯車を潤滑するグリスの選定などにより、耳障りなギアノイズを低減させたもの。市販品と比較して約15dbの静音化を果たしたとする。また、歯車の材質とともに高寿命のポテンショメーターと組み合わせることで、ユニットの回転寿命30万回を達成した。
駆動部開発 アシストモジュールでは、設計難度が高いロボットの駆動部をロボットのヘッド、サーボ、アームの各モジュールとして提供する。これらモジュールを顧客仕様に合わせてジョイント長さ調整などを行い、組み立て検討、外部筐体の検討も一気通貫で提供する。また、ロボット汎用プラットフォームのハードウェア「Middle」「Simple」などと組み合わせることで、駆動部の制御も可能だ。顧客の仕様に合わせた制御プログラムのカスタマイズにも対応する。
同社ブースでは、駆動部開発 アシストモジュールの展示としてロボットが声を掛けられた方向に振り向くデモが披露されている。同モジュールは現時点で参考出展に留まるが、「来場者の反応が良ければ製品化を検討したい」(VAIO担当者)としている。
また、ロボット汎用プラットフォームの「Simple」を組み込んだコミュニケーションロボット「おしゃべりコウペンちゃん(仮称)」を、2019年10月23日から先行販売する。500台の台数限定で、価格は1万8000円(税別)。2019年12月中旬から順次配送する。
おしゃべりコウペンちゃん(仮称)は、Twitterで人気のキャラクター「コウペンちゃん」をぬいぐるみ化したコミュニケーションロボット。ロボット汎用プラットフォームの音声認識能力を生かし、ユーザーとの会話機能やしりとり機能、会話に連動してコウペンちゃんの画像をスマートフォンに表示する機能などを提供する。
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