「VAIOの里」は「ロボットの里」にも、VAIO新社長が新領域を目指す:Palmi
VAIOの新社長は「VAIO」ブランドの海外進出を図るとともに、AIBOの製造拠点としても知られた安曇野工場の能力を生かし、ロボットやFAなど新領域の開拓を急ぐ。
PC「VAIO」を手掛けるVAIOの新社長に就任した大田義実氏は2015年8月19日、事業方針説明会にて「VAIO」ブランドの海外進出と同社安曇野工場を活用した新領域事業参入計画を発表した。
VAIOの海外展開については、米国にて現地販売代理店と販売代理店契約を結び「VAIO Z Canvas」を販売する他、ブラジルでは現地メーカーに「VAIO」ブランドPCの製造および販売を委託する。
ソニー時代からVAIOやAIBOの製造を行っていた安曇野工場を利用した新規事業については、EMS(Electronics Manufacturing Service:電子機器受諾生産)をステップに新規事業を模索する。既に本工場ではFAやゲーム機、家庭用ロボットの受諾生産を行っており、DMM.make ROBOTSで販売されている富士ソフトのロボット「Palmi」の量産ラインが構築済であり、既に生産が行われていることが語られた。
VAIOの安曇野工場では、富士ソフトのロボット「Palmi」の製造を行っている
PC製造という一本足からの脱却を目指す
VAIO 代表取締役社長 大田義実氏。ニチメンや双日など商社畑の出身で、サンテレホン、南海電設などの役員も歴任している
「PC以外を新規領域事業と位置付けており、(既に受諾生産を行っている)ロボット、ゲーム機、FAは新規領域事業として位置付けている。今後の流れとしては、EMSをステップに新規事業を模索するという道筋を考えている」(大田氏)
現在は単純な製造委託にとどまるが、今後はマーケティングや企画、資材調達のアドバイザーなどモノづくりの精通した国内生産事業者として関係各社との協業を進め、2017年度にはこれまでの主事業であるPCと新規領域事業の事業比率を1:1にする計画であるとした。
- 新生VAIOはモノづくりで何を変えたのか
ソニーから独立したVAIOは、独立後初めてゼロから開発した製品群を発表した。従業員規模がグローバルで全社員合わせて14万人規模の企業体から、240人規模の会社になる中で、モノづくりの手法も大きく変化した。「全社員がみんなで作り上げた製品だ」(VAIO 代表取締役の関取高行氏)とする取り組みの中で、どういうモノづくりのアプローチで新製品を実現したのかについて紹介する。
- ハードだけで差別化する時代の終えん! 日本通信がVAIO Phoneで目指すモノ
日本通信とVAIOは、協業によりVAIOブランドのスマートフォン「VAIO Phone」を発表した。製造元は日本通信でVAIOは製品デザインに関わった。日本通信 社長の三田聖二氏は「ハードだけでは差別化できない。ハード、通信、アプリを組み合わせて最適化し始めて付加価値が生まれる」と述べている。
- 「欲しいものがロボットだった」DMM.comが狙うロボット新市場創造
DMM.comが開始したロボット販売事業「DMM.make ROBOTS」では、「Palmi」や「Robi」などのロボットを販売する。「予想以上の手応えだ」という同社に、“ロボット販売プラットフォーム”の勝算を尋ねた。
- ロボット販売プラットフォーム「DMM.make ROBOTS」が始動
DMM.comがロボット販売事業「DMM.make ROBOTS」を開始した。2015年1月に発表した新事業で、まずは組み立て済「Robi」など4体のロボットの予約受付を行う。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.