ベッコフオートメーションは「IIFES 2024」において、リニア搬送システム「XPlanar」などを活用したデモ展示を行った。
Beckhoff Automation(ベッコフオートメーション)は「IIFES 2024」(2024年1月31日〜2月2日、東京ビッグサイト)において、リニア搬送システム「Xplanar」などを活用したデモ展示を行った。
Xplanarはコイルを内蔵したタイルと、永久磁石を内蔵した可動子で構成されており、電源を入れることでタイル上部に磁界を生成し、可動子を浮遊させて搬送を行う。可動子はX、Y、Z軸(Z軸方向は最大5mmまで)およびA、B、C軸(各±5度)の6軸を制御できる。非接触のため部品の摩耗がなく、粉じんも起こらない。
デモ展示では、産業用ネットワーク「EtherCAT」を用いて、「Xplanar」と同社のリニア搬送システム「XTS」との同期制御を披露した。自社製作の電動アームを装着したXTSの可動子には、NCT(No Cable Technology)による非接触給電とリアルタイムデータ通信を行っており、Xplanarの可動子に合わせて2つのモーターが動いてアームが開閉および上下した。
ベッコフオートメーション(日本法人) 代表取締役社長の川野俊充氏は「(同期制御によって)モノの受け渡しに加減速が必要なくなる。加減速があると作業が遅くなるため、同じ工程でも加減速がなくなるだけで早くなる。常に加速も減速もない、それが一番生産性が高くなる」と語る。
ステンレス製の防水型リニア搬送システム「XTS Hygienic」のデモでは、英国Hepco Motionのガイドシステムを使った重量物搬送への対応を訴求した。今回のガイドシステムは金属製のローラーなどを用いており剛性が高く、2kg、3kg、4kgの横長のワークを高精度に搬送した。
XTS Hygienicでは高温、高圧水に対する保護規定であるIP69K規格に準拠しており、薬液洗浄も可能になっている。モーターモジュールの構造もメンテナンス性を重視、隣接するモジュールが設置されていても、取り付け、取り外しが簡単にできる構造になっている。
「XTSは推進力さえ得られれば重たいものでも動かせるようになる。デモでは4kgまでだが、10kg、20kgでも運ぶことができる。XTSは汎用品の組み合わせやカスタイマイズによりさまざまな要件に対応できる」(川野氏)
今後、発売が予定されている産業用PC「C6043」もパネルで紹介した。インテル第13世代「Core」プロセッサ「Raptor Lake」に加え、NVIDIA RTX A500 GPUを標準搭載する。「今後、ロボットも含めて全ての生産設備にカメラが付くような時代になる。そこで映像をリアルタイムで解析し、作業するためには、画像処理をはじめとする深層学習、機械学習のアプリケーションにおいてGPUが求められている」(川野氏)。
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