安川伝統の高速シャーペン芯回しがパワーアップ、2回線の高速同期制御を訴求IIFES 2024

安川電機は「IIFES 2024」において、新発売のマシンコントローラー「MPX1310」の高精度な同期制御を訴求する、シャープペンシルの芯回しのデモンストレーションを披露した。

» 2024年02月05日 08時00分 公開
[長沢正博MONOist]

 安川電機は「IIFES 2024」(2024年1月31日〜2月2日、東京ビッグサイト)において、新発売のマシンコントローラー「MPX1310」の高精度な同期制御を訴求する、シャープペンシルの高速芯回しのデモンストレーションを披露した。

IIFES 2024で披露した高速のシャープペンシル芯回し[クリックで再生]

 MPX1310は、従来の「MP3000シリーズ」の後継機種として開発された「MPX1000シリーズ」の製品となる。MPX1310では、従来機種からモーション処理性能が8倍となり、MECHATROLINK-4を2回線備え制御可能軸数が16軸から128軸に増えるなど、大幅な機能向上を実現している。MECHATROLINK-IIIへ切り替えることも可能で、MP3000シリーズからの置換えも容易だ。MP2000、MP3000シリーズのユーザーアプリケーションはMPX1310でも使用できる。

 また、複数の機構の処理を別々のCPUコアに割り付けて並列処理を行う分散制御が可能となっている。これにより、処理負荷が軽減されて各機構で高速な処理が可能となっている。

リニアモータだけで12軸を制御[クリックで拡大]

 デモンストレーションでは、CPUコア1による回線1でリニアモータのX、Y軸や「Σ-X 」のサーボモータ SGMXJや同 SGMXJなど計16軸を制御、CPUコア2により回線2ではSGMXPの計2軸という分散制御を実施。通信はMECHATROLINK-4を使い、回線1は通信周期250μs、回線2では同125μsとなっている。慣性や容量が異なるモータを用いても、モーター間で芯を巧みに出し入れし、高精度な軌跡制御によって障害物の約2mmの隙間を通過させる様子を披露した。

シャープペンシル芯回しのシステム構成[クリックで拡大]

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