「3Dプリンタ導入の目的/期待」と「3Dプリンタを活用する上での課題」について、2024年7月に実施した「製造業における3Dプリンタの利用に関する調査 2024」の結果レポートを一部抜粋して紹介する。なお、調査レポートの完全版は以下のダウンロードボタンをクリックした飛び先から入手可能だ。
設計開発の現場で導入が進む3Dプリンタ。造形方式や装置、材料など関連する技術の進化も目まぐるしく、さまざまな用途での活用が広がっている。一方で、3Dプリンタ/アディティブマニュファクチャリングの活用は海外が先行しており、日本は後れを取っている状況にある。日本の設計現場での3Dプリンタ活用の期待はどこにあるのか。イメージ通りの結果だが「試作の効率化」に対する期待が最も多く挙げられた。そして、次点には「開発スピードの向上」「デザインレビューの効率化」「試作の外注コスト削減」が並ぶ。「治具製作の内製化」といった試作以外の利用も挙げられているが、最終製品や量産適用にまで踏み込んだ活用はまだ限定的のようだ。
3Dプリンタ活用の課題はどこにあるのか。どうやら初期導入コストと運用コストがネックのようだ。調査レポートでは「装置の価格」と「材料の価格」が上位に並んでいる。ただ、材料に関していえば、それだけ多く利用している(稼働率が高い)とも推察できる。次点には、3Dプリンタに対する永遠のユーザー要求といえる「造形スピード/造形時間」と「造形物の品質・精度」が挙げられている。このあたりの要求はどれだけ装置や材料が進化しても常に上位に挙がってくるように思う。近年登場している最新3Dプリンタの動向を見てみると、速度や精度が劇的に向上しており、(一部にはなるが)装置や材料の価格もこなれてきた印象だ。追加導入やリプレースなどを機に、試作以外での活用が広がることを期待したい。
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