「設計現場が抱える課題」「設計者CAEの実践に必要なこと」「3Dプリンタ活用の期待と課題」の3つに焦点を当て、「MONOist」および「TechFactory」で実施した読者調査の結果レポートを抜粋しながら、現場の実情と生の声をお届けする。
さらなるQCD(品質/コスト/納期)の改善、慢性的な人手不足、熟練エンジニアの退職に伴う技術伝承問題など、設計開発現場が直面する課題は多岐にわたる。また同時に、機能やデザイン性に優れた競争力のある製品の実現、環境に配慮したサステナブルなモノづくりの実践など、より高度で複雑な要求にも応えていかなければならない。
本特集では「設計現場が抱える課題」「設計者CAEの実践に必要なこと」「3Dプリンタ活用の期待と課題」の3つのテーマにフォーカスし、「MONOist」および「TechFactory」でこれまで実施した読者調査の結果レポートの一部を抜粋しながら、現場の実情と生の声をお届けする。
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「設計業務における現場課題」と「設計現場の課題解決に必要なこと」について、2024年5月に実施した「CADの利用動向に関する調査 2024」の結果レポートを一部抜粋して紹介する。なお、調査レポートの完全版は以下のダウンロードボタンをクリックした飛び先から入手可能だ。
最大の現場課題はやはり「人材・リソース不足」だ。深刻な人手不足は製造業に限った話ではないが、設計現場が直面するその他の課題を引き起こす直接的な原因、あるいは遠因にもなっているといえる。2番目に挙げられた課題「設計スキルの低下」についてもその関連が考えられる。熟練エンジニアの技術やノウハウが次世代に継承されずに失われてしまう現場も少なくないだろう。その結果が「設計品質の低下」や「設計ミスによる手戻りの頻発」など負の連鎖を引き起こしている可能性もある。
設計現場が抱える課題の解決に必要なことは何だろうか。多くの現場が「人材教育/育成のための体制構築」を求めているようだ。若手人材の確保が難しい状況にある中、今いる人材をいかに育てるかが重要となる。次点で「基礎知識の学習と習得」が挙がっている点からも人材教育の必要性の高さが見て取れる。また、抜本的な「組織や体制の見直し」を求める声も多い。さらに、人材育成/教育を後押しする取り組みとして、熟練エンジニアの暗黙知をデジタルの力で形式知化したり、それを基に標準化したりすることも必要だろう。ここに対する「AI(人工知能)/生成AIの活用」への期待も大きいといえる。
調査レポートの完全版は以下のダウンロードボタンをクリックした飛び先から入手できる。
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