ジェイテクトは軸受設計の効率化と信頼性向上に向けてモデルベース開発を進化させる取り組みを発表した。
ジェイテクトは2024年11月25日、軸受設計の効率化と信頼性向上に向けてモデルベース開発(MBD)を進化させる取り組みを発表した。設計プロセス全体を抜本的に見直し、初期検討から作図までをシームレスに完了できる設計基幹システムを開発するとともに、新開発の評価試験機によってシミュレーションにリアルとのギャップを反映させ、評価解析の信頼性も向上させる。
設計基幹システムと評価試験機による高効率で信頼性の高いモデルベース開発で軸受の設計期間を短縮し、リードタイムを最小限にすることを目指す。
従来の軸受の設計プロセスは、設計者自身がさまざまな技術計算を手作業で繰り返し行う必要があり、データ受け渡しや保存にかかる時間のロス、設計者による検討のばらつきが課題となっていた。新開発の設計基幹システムの導入により、設計検討時間を従来の4分の1に短縮し、設計者の経験を問わず検討が行えるようになったとしている。
新開発の評価試験機は、グループ会社のジェイテクトマグネティックベアリングの磁気軸受を採用し、超高速回転や急加減速回転での性能評価に対応した。超高速域まで軸受の限界性能を把握できるようになり、電動車で小型化や高出力化が進むeAxleの高速回転において、破損や焼き付きが発生しない軸受の開発に貢献する。
主軸を駆動するモーターユニットに磁気軸受を使用することで、eAxleで求められる高速回転要求仕様である4万5000min-1(転がり軸受の回転性能を表すdmn値で270万)まで評価できるという。急加速や急減速の回転性能としては1万5000min-1/sまでカバーする。ラジアルとアキシャルの両方向の荷重を与えることができ、オイル潤滑とグリス潤滑に対応している。
ジェイテクトグループでは、製品や設備に関する要素技術や知見を集約したテクノロジープラットフォームを設けるとともに、テクノロジープラットフォームに集めた強みを活用して社内外の困りごとを解決するソリューション共創センターを開設。今回新開発した設計基幹システムや評価試験機にも、テクノロジープラットフォームにあるグループ内の強みを活用した。
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