椿本チエインとKDDIの合弁会社Nexa Wareは、物流倉庫業務を効率化するデータ分析サービス「Nexa Warehouse-Optimizer」の提供を開始した。
椿本チエインとKDDIの合弁会社Nexa Ware(ネクサウェア)は2024年8月22日、物流倉庫業務を効率化するデータ分析サービス「Nexa Warehouse-Optimizer」の提供を開始した。
同サービスでは、倉庫内データを活用して作業工程の全体最適化を図ると共に、人員や作業量、時間を考慮した作業員シフトを自動作成し、Webダッシュボードで可視化、提案する。2023年4月から9月にかけてKDDI物流センターで実証実験を行い、従来比1.4倍の出荷量を実現した。
新サービスは、KDDIグループのフライウィールが提供するデータ活用プラットフォーム「Conata(コナタ)」により、倉庫内で稼働するマテハンやロボット、WMS(倉庫管理システム)/WES(倉庫運用管理システム)/WCS(倉庫制御システム)などの関連システムから得られるデータを集約し、分析を行う。これにより、物流倉庫の現場をデジタル上で再現する。
顧客ごとの物流作業フローに合わせたカスタマイズが可能で、作業フローや進捗を可視化することで、DX推進を支援する。さらに、ベンダーフリーのエンジニアリング力を生かし、各種マテハンやロボット、システムの統合分析も行う。倉庫全体でのボトルネック分析が可能になり、オペレーションと導入、稼働システムの最適化をサポートする。
さらに、倉庫における作業内容、予測出荷量、現場状況に応じて作業員のシフトを自動作成できる。物流倉庫全体の人員配置を最適化し、倉庫オペレーションの効率化に貢献する。また、当日の作業進捗に基づいて完了時刻を予測し、荷物引渡し時間の遅延が予想される場合はアラートを発出。状況に応じて以降の作業におけるシフト修正も可能だ。
これらの機能により作業遅延を予防し、スムーズな集荷、荷役作業を実現することで、トラックドライバーの荷待ち時間を削減する。
新サービスは、2024年8月1日から先行してKDDI物流センターに商用導入した。同センターはスマートフォンを含む移動機とその周辺商材のB2B/B2C物流業務を担う大型物流拠点で、2024年に発生した能登半島地震の際には、被災地支援用Starlink(衛星ブロードバンドインターネット)の出荷に迅速に対応するなど、これまでもKDDI物流の要として物流改革を推進してきた。新サービスを活用し、一層の業務効率化が期待できるとしている。
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