島津製作所は、同社の青色半導体レーザー光源「BLUE IMPACT」で、世界最高出力になるという6kWを達成した。また、「オンデマンドプロファイル制御」を実装し、束ねたレーザーの出力や照射位置をそれぞれ独立して制御できる。
島津製作所は2024年5月22日、同社の青色半導体レーザー光源「BLUE IMPACT」で、世界最高出力になるという6kWを達成したと発表した。
出力6kWは、2020年度に新エネルギー・産業技術総合開発機構のプロジェクトで記録した出力の約4倍となる。この成果は、新開発の1kW青色半導体レーザー光源と、同レーザー6台の出力光を結合する独自の加工ヘッドにより達成した。
1kW青色半導体レーザーの出力ファイバーには、全域で均一に熱を伝えられる長方形のコア形状(200×400μm)を採用した。従来の円形形状のように、周辺部と中心で熱の伝わり方に差が出ることなく、照射面積が拡大して輝度を高められるため、安定した高速加工が可能になる。
また、「オンデマンドプロファイル制御」を実装し、束ねたレーザー6台の出力や照射位置をそれぞれ独立制御できる。加工対象物の形状に合わせて、強いレーザー光を溶接の中心部に、弱いレーザー光をその周辺に照射するよう制御できるため、溶接で溶融した金属粒子の飛散を抑えて高品質な加工ができる。
同社は現在、大手工作機械メーカーと協力し、本技術の社会実装を目指してる。BLUE IMPACT技術を活用し、EV(電気自動車)用モーターやバッテリー、インバーターなどの溶接に使用可能な光源の開発を進める。
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