2023年にMONOistで最も読まれた記事は何だったのでしょうか。今回はMONOistの全記事の中で2023年に読まれた記事のトップ10を紹介します。
1位は衝撃の不正が明らかになったあの記事に――。2023年を振り返り、MONOistで掲載している記事の中で最も読まれた記事トップ10を紹介している「MONOist 年間ランキング」ですが、ここまで工程や業界などのフォーラムごとに2023年に公開した記事のランキングを紹介してきました。本稿ではこれらをまとめ、MONOistで過去に掲載された全記事の中で2023年に最も読まれた記事トップ10について紹介したいと思います。
MONOistでは、過去に掲載した記事は「その時点での情報」として特別な事情がない限り残し続けています。そうした記事の中には長く読み続けていただいているものも数多くあります。こうした記事も含めて2023年に最も読まれた記事は何だったのでしょうか。ランキングは以下のようになりました。
1位となったのは2023年2月に製造マネジメントフォーラムで掲載された「「タイマーで故障を偽装し部品を売る」島津製作所子会社による悪質不正行為の全容」でした。
2023年もダイハツ工業の品質不正問題などをはじめ、製造業の品質不正が大きな問題となった1年でしたが、この記事で取り上げた島津製作所子会社である島津メディカルシステムズで行われていた保守点検業務における不正行為は手口の悪質性から大きな注目を集めました。
不正の内容は、医療機関に納入したX線装置の保守点検の際に、電力供給回路に不正に外付けタイマーを取り付け、このタイマーを作動させることで、一定期間経過後に意図的にエラーを発生させます。そして、あたかも故障であるかのように装い、保守(補修)部品の交換を有償で行うというものでした。ユーザー側からは確認しようがない「情報の不均衡性」を突いたものであらためて企業の倫理性について問われるものでした。
ただ、それだけにとどまらず、調査報告書では不正の構造を赤裸々に示しており、さらにその要因についても「動機」「機会」「正当化」「実行可能性」という4つの観点で踏み込んで分析しており、「不正を仕組みとして生まないようにする」ことに取り組む多くの製造業にとっても参考になるものでした。まだ読まれていない方はぜひ一度ご覧いただければと思います。
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